米国株、強気派も慌てた2年連続の大幅高-ウォール街の予想外れる
(ブルームバーグ): 昨年の今ごろ、米株式相場は市場関係者の最も楽観的な見通しをも超える上昇率を示していた。ウォール街からは、2024年にこうしたペースを維持することは不可能との声が聞かれた。
23年には人工知能(AI)のブレークスルーでテクノロジー株が急上昇したほか、経済も堅調だったことからS&P500種株価指数は年間で20%余り上昇。これを受けて24年は小幅な上昇率にとどまるというのが、ウォール街のコンセンサスだった。
しかし、今年の株式相場は勢いを失うどころか大幅な上昇を続けた。S&P500種は1月下旬までに、ストラテジストらの年末予想平均をあっさりと上回った。その後、最高値を更新し続けて、今年はこのままいけば25%高で年間の取引を終えることになる。予想通りとなれば、2年続けての上昇率としては1990年代後半のドット・コム・バブル以降で最大となる。
エバコアISIの株式・クオンツ担当チーフストラテジスト、ジュリアン・エマニュエル氏は「奇跡的な要素がある」と指摘。「トレンドは想像以上に長く、先まで続く」と述べた。同氏は当初、S&P500種が今年わずかに下落すると予想していたが、年央までに修正し、年末に6000に達すると予測した。
こうしたトレンドの継続は、新型コロナ禍後の経済が予測担当者をいかに惑わせてきたかを示す。
モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は、米国株が下落すると23年に警告していたが、24年5月には弱気な見方を撤回。JPモルガン・チェースのマルコ・コラノビッチ氏は、今年末までにS&P500種が12%下げると予想していたが7月に退社。同行の市場調査チームを現在率いるドゥブラフコ・ラコスブハス氏は11月下旬、米国株に強気な見方を示した。同氏はS&P500種が来年6500に上昇するとみている。先週末の終値(5970.84)からは約9%高い水準だ。
不意を突かれたのは弱気派だけではない。ブルームバーグが追跡調査する名高いストラテジストのほぼ全員が今年少なくとも1回、S&P500種の予想を引き上げた。