セレシオンしなやかに86秒4-11秒4 5歳秋迎え完成の域「充実している」/AR共和国杯
<アルゼンチン共和国杯:追い切り> 3週連続で東京の重賞ジャックや! アルゼンチン共和国杯(G2、芝2500メートル、11月3日=東京)の最終追い切りが30日、東西トレセンで行われた。セレシオン(牡5、友道)は、ポリトラックコースで軽快な動きを披露。友道厩舎は2週前の富士Sをジュンブロッサムで、先週天皇賞・秋をドウデュースで制覇。僚馬アドマイヤビルゴ(牡7)とともに、厩舎初の3週連続JRA重賞制覇を懸けての参戦となる。 ◇ ◇ ◇ 軽やかに弾んだ。セレシオンは、ポリトラックコースの大外を回って6ハロン86秒4-11秒4をマーク。単走で整える程度の調教だったが、走りはしなやかで、最後に仕掛けられるとスッと反応した。 「サッとやって、動きは良かった。以前までは走ることに後ろ向きなところがあったけど、今は調教でも自分から進んでいくからね」と友道師も満足げに評価した。 名門が勢いに乗っている。JRA・G1通算20勝を誇る友道厩舎は現在、2週連続で東京の重賞を勝っている。2週前の富士Sではジュンブロッサムが後方から差し切り勝ち。先週の天皇賞・秋は、ドウデュースが上がり最速32秒5の豪脚で制した。直近3走で上がり3ハロン最速をマークしているセレシオンについても、友道師は「直線の長い東京は合っている」と断言。22年プリンシパルSで7着に敗れて以来の府中で、リベンジの末脚を見せたい。 馬の状態も、5歳秋を迎えて完成の域に入った。同期ドウデュースと同じハーツクライ産駒で、血統的に長距離適性があり、成長曲線はゆっくり。「力はあるし、距離が延びるのもいいと思う。体は大きく変わっていないけど、精神的にずいぶん大人になった。充実している」と、師の口から不安要素が出てこない。厩舎の勢いに乗って待望の重賞初制覇へ、セレシオンが躍動する。【藤本真育】 ◆調教師の同競馬場3週連続重賞制覇 84年グレード制導入後では過去2度ある。国枝栄師が08年に中山(日経賞マツリダゴッホ、ダービー卿CTサイレントプライド、ニュージーランドTサトノプログレス)で、池江泰寿師が16年に京都(菊花賞サトノダイヤモンド、スワンSサトノアラジン、ファンタジーSミスエルテ)で達成。東京での3週連続重賞制覇はない。