ウルフ・アロン、ウクライナ選手団に技を指導「柔道をやれていることが当たり前じゃないと感じた」 名前入りの箸もプレゼント
柔道男子100キロ級の東京五輪金メダリストで今夏パリ五輪代表のウルフ・アロン(パーク24)が30日、東京・文京区の講道館でウクライナから来日中の13~20歳の男女29選手に技の指導を行った。 全日本柔道連盟(全柔連)がロシアによる侵攻を受け、自国で十分な練習環境が確保できないウクライナの選手を約半月間、日本に招待。ウルフは得意の内股や大内刈りのコツを伝え「初めて海外の選手に技の指導をしたので、ジェスチャーとか単語を使っていくのが大事なんだなと初めて感じることができた。僕自身も大きな勉強になった」と振り返った。 来日した選手たちはミサイルによる攻撃で道場が損壊するなど、大きな被害を受けている。ウルフは「今、柔道をこうやってやれていることが当たり前じゃないと改めて感じた。僕に何かできることがあったらという気持ちもある中でのこういった活動だったので、もっともっとやれることがあるなら」と決意。指導後には「せっかく日本に来てくださったので、何か日本に親しみを持てるようなものを」と、自身の名前入りの箸を全員にプレゼントした。 ウルフは来年6月の全日本実業団体対抗大会を最後に現役を引退する意向を表明している。当初は日本代表として最後の大会とする予定だった12月のグランドスラム東京大会については「今のところ出ない」と見送る考えを示した。優勝経験を持つ体重無差別の全日本選手権への挑戦も期待されるが、今後の大会出場については「ちょっと検討に検討を重ね、その検討にも検討を重ねていきたいなと思っております」と言葉を濁した。
報知新聞社