ホンダ、太田格之進選手が2025年は国際レースIMSAへ参戦 「アキュラ ARX-06」でデイトナ24時間などに挑む
本田技研工業は12月11日、都内にて2025年の四輪モータースポーツ体制発表会を実施。HRC(ホンダ・レーシング)代表取締役社長の渡辺康治氏から、ホンダのドライバー育成プログラム出身の太田格之進選手が、2025年は北米最高峰のスポーツカーレース「IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権」の最高峰GTPクラスに参戦すると発表した。 【画像】アキュラ ARX-06 太田選手はAcura Meyer Shank Racing(アキュラ・メイヤー・シャンク・レーシング)チーム93号車の4人目のドライバーとして、北米でのホンダのモータースポーツ活動を担うHRC US(Honda Racing Corporation USA)が開発・供給しているLMDhマシン「アキュラ ARX-06」で、1月のデイトナ24時間レース、6月のワトキンス・グレン6時間レース、9月のインディアナポリス6時間レースの計3レースに出場する予定という。 太田選手のIMSA参戦にあたっては、2024年10月にインディアナポリスのHRC USの拠点でドライビングシミュレーターを用いたトレーニングを開始。11月にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで実施されたIMSA公式テストで「アキュラ ARX-06」を初ドライブ。渡辺社長によると「テストでは、ベテランドライバーのスコット・ディクソン選手と1000分の1秒差という素晴らしいタイムを叩き出してくれました」と絶賛。また、「デイトナ24時間レースでは、優勝するとスポンサーであるROLEXから腕時計の“デイトナ”がプレゼントされるので、ぜひ持ち帰ってきてほしい」とエールを送った。 太田選手は年内に、規則で本番マシンで走れる時間が制限されているため、下位クラスのマシンを借りて、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイに慣れるための練習走行を行なう予定という。また、太田選手らがドライブする93号車は、2025年シーズンよりHRC USの技術者がレースエンジニアとしてチームに参画し、「HRC USチームがより大きな役割を担うとともに、レースを通じたエンジニアの育成と技術進化も目指す」と渡辺社長は説明した。 太田選手は自身について、「3歳からカートレースを始め、ずっと海外で活躍できるドライバーになりたいと思ってきました。まだスタート地点に立っただけなので、もっといろいろ努力をしていかなければならないし、まずは1月のデイトナ24時間レースでしっかりとチームの力になれるように頑張りたい。他のカテゴリーも含め、世界で認められるドライバーになりたい」と抱負を語ってくれた。 また、HRCのエグゼクティブアドバイザーを務める佐藤琢磨氏は、太田選手について、「自分は2019年からHRSでスクールの講師をしているのですが、ちょうどその前年2018年に(鈴鹿サーキットレーシングスクールの)スカラシップを取って、2019年の1年をかけてかなり注目していた選手の1人です。で、2019年末にどうしても時間を作ってほしいと懇願され、個人的に相談を受けまして、その時に“とにかく世界いきたいんだ”と、本当に早くから海外を目指す、高い志としっかりとした考えを持った選手なんだと思いました。そして、ここまで成長してくれたのが本当に素晴らしい。かなりの努力があったと思いますし、IMSAは海外の自動車メーカーも多く参戦しているし、チームメイトも豊かで恵まれているし、多くのことを学べるんじゃないかと注目しております」と激励を送った。 ■ 「IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権」は海外自動車メーカーとの激しいバトルも特徴 HRC USが開発・供給しているLMDhマシン「アキュラ ARX-06」は、カテゴリー規定で、エンジン+50kWモーターで最高出力は550kW(680PS)を発生。Oreca、Dallaraなど認定された4つのコンストラクターが製造するシャシーのいずれかを購入し、エンジンと外装を設計することで、参戦コスト抑制が図られている。 現在のところ、ポルシェ(V型8気筒4.6リッターツインターボ)、キャデラック(V型8気筒5.5リッター自然吸気)、BMW(V型8気筒4.0リッターツインターボ)、アルピーヌ(V型6気筒3.4リッターターボ)、ランボルギーニ(V型8気筒3.8リッターツインターボ)、そしてアキュラ(V型6気筒2.4リッターツインターボ)が参戦する予定。
Car Watch,編集部:塩谷公邦