「万策尽きた」給食現場の悲鳴 食材費高騰でひき肉には大豆を混ぜ、キャベツはモヤシに…子どもの食と健康どう守る
ミカンを半分にカットして提供することもあり、この学校では現在、1年前に決めた食材のまま提供されることはほとんどないということです。 ■デザートも量を減らし… 現場は「万策尽きた」 この日の献立は「パリパリ焼きそば」と「リンゴのフルーツミックス」。 このメニューも焼きそばに使う予定だったキャベツが値上がりし、やむなく白菜とモヤシに変更。フルーツミックスも量を減らし、全体で約9000円分の食材費を抑えました。 子ども達の感想は? 小学2年生「おいしい」「めっちゃうまい。麺を混ぜて食べたときに、コリコリな感じがおいしい」「いつもお腹空いているから(給食は)いつも楽しみ」 子どもたちの笑顔が絶えないように工夫を凝らし、栄養バランスも維持していますが、現場の努力はほぼ限界を迎えています。 筒井 栄養教諭「もう万策尽きた…という感じですね。これ以上いろいろな値段が上がると、もう何をどうしたらいいんだろう」 ■現場を救う方法は? 判断分かれる自治体 物価高騰を受けて、熊本市は12月議会に食材費を補助する予算案を提出する方針です。 具体的には11月から来年3月まで、食材費(例:小学校 1食304円)から保護者負担(例:小学校 1食243円)を差し引いた差額、61円を市が負担します。 しかし、これはあくまでも「今年度(2024年度)限り」です。物価高で家計も苦しい中、熊本市も給食費の値上げにはなかなか踏み切れないといいます。 そうした中、熊本県内では保護者の給食費を「無償化」する自治体もあります。 宇城市や芦北町など14の市町村は既に無償化に踏み切っていて、菊陽町はTSMCの進出などで税収が増えたことなどから、2025年度から無償化を始めます。 自治体間の格差が懸念される中、子どもたちが分け隔てなく栄養たっぷりの給食をお腹いっぱい食べられるよう、国や自治体の支援の求める声も高まっています。
熊本放送