イーサリアムICO時代の雄、ゴーレムが1億ドル相当のイーサリアムを取引所に移動
イーサリアム(Ethereum)のICO(イニシャルコインオファリング)の1つであるゴーレム(Golem)は、先月1億ドル(約160億円、1ドル=160円換算)分以上のイーサリアム(ETH)を取引所に送金しており、市場に売り圧力を加えている可能性がある。 ICOは、暗号資産(仮想通貨)プロジェクトを構築するための資金調達手段として人気を博し、2016年から2019年にかけて数十億ドルが調達された。しかし、その後の数年間は、規制上の争いや全般的な需要の欠如により、投資家からの人気を失った。 アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)が追跡したデータによると、ゴーレムのメインウォレットから他のウォレットに数百万ETHが送金され、その後、バイナンス(Binance)、ビットフィネックス(Bitfinex)、コインベース(Coinbase)などの取引所に送金されていることが明らかになった。これらの移動のほとんどは1000万ドル(約16億円)分未満で、毎日行われている。 独立系ジャーナリストのコリン・ウー(Colin Wu)氏が、ゴーレムのウォレットの動きについて最初に報じた。ゴーレムのXアカウントはコメントの要請に即座に反応しておらず、また、Xアカウントでは今後リリースされる主要な新製品について公には明らかにしていない。 ゴーレムは、5月に発表されたロードマップスポットライトによると、トレーダーの間で関心が高まっている分野として、人工知能(AI)ベースのツールに取り組んでいる。 暗号資産取引所に送付されるということは、通常、保有している暗号資産を売却する意図があるということを意味する。また、通常はセキュリティ上の理由から、大量のトークンを取引所に長期間保管することはない。 ゴーレムは2016年、その分散型コンピューティングのコンセプトがソーシャルメディアで話題となったことで870万ドル(約14億円)分以上のETHを集め、ICOブームの最大の受益者の1つとなった。同社は、ユーザーがゴーレムのGLMと引き換えにコンピューティングリソースを貸し出すというコンピューティングパワーのマーケットプレイスとして自らを位置付けた。 しかし、人気はその後衰えており、GLMの現在の取引価格はわずか30セント前後で、時価総額は約3億ドル(約480億円)だ。最高値は2018年1月の1.32ドルだった。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Ethereum ICO-Era Stalwart Golem Sent $100M Ether to Exchanges in the Past Month
CoinDesk Japan 編集部