科学的に「糖質中毒」から脱する方法 悪性度ナンバー1の飲食物とは
ご飯、ラーメン、ケーキにジュース。分かっちゃいるがやめられない、太る原因「糖質」。だがこれまで好きで口にしてきたと思っていたものが、単なる「中毒症状」に過ぎなかったとしたら……。糖尿病専門医の牧田善二氏が語る、世にも恐ろしい糖質の話。 【写真を見る】糖質制限で“食べてはいけない”食品 ***
私は糖尿病専門医として、これまで20万人以上の糖尿病患者を診察してきました。その中には「メタボ」や「肥満」に悩んできた方も多くおられます。 太っている方のほとんどは、ご飯や麺類が大好きと話します。でも、彼らが太ってしまったのは決して食い意地が張って食べ過ぎたからではありません。実は、脳が「糖質」を取らずにいられない中毒状態に陥っているためなのです。 「中毒」などと言うと「そんな大げさな」「私には関係ない」と思う方もおられるでしょう。でも、あなたが「ご飯や麺類を我慢できない」「甘いお菓子やジュースについ手が伸びてしまう」なら、それは立派な糖質中毒。痩せられない理由は、まさにそこにあるのです。
体質や意志の弱さとは無関係
〈いまやダイエットの定番といえる「糖質オフ」。ところが「肉や魚は我慢しなくていい」「ご飯など炭水化物を減らすだけ」と、まるで手軽であるかのように語られるこの方法には大きな落とし穴がある。それが、「どうしても糖質を我慢できない」という、痩せられない人たちの切実な悩みに応えられていないことである。 「炭水化物を減らさなくては」と分かっていても、やめられない。そもそも肉や魚はご飯をおいしく食べるためにあるのだから、肉や魚を食べればなおさらご飯が欲しくなる。そういう人たちにとって「炭水化物を減らすだけ」は、何の助けにもならないのである。 牧田氏によれば、炭水化物や甘いお菓子を我慢できないのは、体質や意志の弱さとは無関係。原因は「脳」にあったのだ。〉
一度依存すれば抜け出すのは難しい
「中毒」や「依存」と聞いて、皆さんが真っ先に思い浮かべるのはなんでしょう。代表的なものには人生を破壊する違法薬物や、明らかに健康を害するたばこへの依存がありますよね。 では薬物やたばこにすっかり依存した人に、単に「やめればいい」とアドバイスするのは有効でしょうか。恐らく多くの人は、「それができないから中毒なんだよ」と考えるでしょう。 さらに、違法薬物やたばこについて「健康に害はない」とか「やめようと思えばいつでもやめられる」なんて話す人がいたら……。あなたは、それらがいかに有害で、依存から抜け出すのがどれだけ難しいかをこんこんと説明するのではないでしょうか。 実は、糖質中毒もこれと同じ。過剰に摂取すると体に深刻な害をもたらしますし、一度依存すれば抜け出すのは非常に難しい。従って、解決のためには薬物やたばこと同様、「どうして有害なのか」「なぜやめられないのか」を正しく理解するのが重要なのです。薬物やたばこは、そもそも生きるために必要ありませんし、有害性も周知されている。それでも時に人はやめられなくなるのですから、生きるために必要で日常的に抵抗なく摂取している糖質ならなおさらです。 「中毒」はもはや自分の意志ではどうにもなりません。くれぐれも「意志の力でやめよう」などと思わないで下さい。意志に頼ると失敗したときに自暴自棄となり、中毒を悪化させかねません。あくまで科学的な根拠に基づいて糖質を遠ざける。意志は関係ありませんから、失敗してもあなたに責任はありません。リバウンドしてもまた淡々とやり直せばよいのです。