科学的に「糖質中毒」から脱する方法 悪性度ナンバー1の飲食物とは
白米も玄米も“ほぼ糖質”
〈糖質と距離を置くための第一歩は、糖質を正しく理解すること。だが、一口に糖質と言っても、砂糖からご飯やパン、麺類などの炭水化物まで、その種類はさまざまである。〉 栄養学の世界では、炭水化物、タンパク質、脂質を「三大栄養素」と呼んでいます。糖質は、この炭水化物から食物繊維を除いたもの。従って、厳密には「炭水化物=糖質」ではありませんが、炭水化物に含まれる食物繊維はごくわずか。実際には炭水化物は“ほぼ糖質”です。例えば食物繊維が豊富とされる玄米ですら、食物繊維の量は1膳(150グラム)当たりたったの2.1グラム。一方の糖質は約51グラムで精白米と大差なく、やはり“ほぼ糖質”です。
角砂糖13個分
糖質の働きは私たちの体のエネルギー源になること。体内に取り込まれた糖質は消化の過程で一個一個のブドウ糖に分解され、血液によって全身に送られて体や脳を動かすエネルギーとなります。この時、血液中にどれくらいブドウ糖が存在しているかを示した数値が「血糖値」です。 血糖値が上がり過ぎると昏倒して命に関わるため、私たちの体は膵臓からインスリンを分泌し、血糖値を下げようとします。インスリンはブドウ糖の一部をグリコーゲンに変えて肝臓や筋肉に貯蔵し、それでも余ったブドウ糖を中性脂肪に変えて脂肪細胞に蓄えます。こうして脂肪が異常に蓄積された状態が「肥満」です。 ちなみに、ご飯などの炭水化物は「多糖類」と呼ばれ、たくさんのブドウ糖が連なった構造をしています。他方、砂糖はブドウ糖が二つくっついた「二糖類」です。ただ、多糖類も二糖類も私たちの体内で消化するときにバラバラにされて、すべて一個一個のブドウ糖に分解されます。この一個一個のブドウ糖が血糖値を上げるわけですから、ご飯も砂糖も体にとっては同じ。 例えば、うどんは1玉(250グラム)に約50グラムの糖質を含んでいますが、これを食べることは角砂糖13個をなめることと変わりません。また、500ミリリットル入りペットボトルのコーラなど清涼飲料水に、ご飯1膳分に匹敵する50グラム以上の糖質が含まれていることも多々あります。