悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
マクラーレンのランド・ノリスはF1ラスベガスGPの予選を6番手で終えた。タイトル争いのライバルであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のひとつ後ろのグリッドとなったが、タイトル争いにとらわれずベストを尽くしたいと語った。 【リザルト】F1第22戦ラスベガスGPスターティンググリッド(暫定) フェルスタッペンに62ポイント差をつけられているノリスは、このラスベガスGPでフェルスタッペンとの差を59ポイント以下に縮めなければ、その時点で逆転タイトル獲得の可能性が完全になくなり、フェルスタッペンの4連覇が決まるということになる。 とはいえなんとかタイトル獲得の権利を残したとしても、逆転のためにはノリスは残り2戦、スプリント含めて3レースで勝利し、ファステストラップも獲得するという完璧な成績を残さなければ、逆転チャンピオンは叶わないという厳しい状況にある。 ラスベガスの予選でフェルスタッペンの後塵を拝したノリスは、レースの結果にはあまり縛られず、自分自身とマシンのベストを引き出すことだけに集中したいと語った。その上で、今回のレッドブルは勝てる相手だと指摘した。 「つまり、明日彼が勝とうが勝たなかろうが、僕にとっては何も変わらないんだ」 そうノリスは語った。 「彼がチャンピオンになる可能性は高いけど、僕はここでレースをするためにいるし、マックスが前でゴールしようがしまいが、それが人生なんだ。彼は今日、僕らのすぐ前にいる」 「明日は彼らに勝つチャンスがあると思う。でも、どのレースでもそうしているように、ベストを尽くすよ。結果がどうなるにせよ、それが結果なんだ」 「もちろん、自分のことを誇りに思うよ。マックスと戦っているのは僕ひとりだからね。それが他の誰でもなく、僕であることを誇りに思う」 「もう少し先まで行ければよかったと思うか? 確かにね。でもタイトル争いはシーズン最初の6レースで決着がついていた。そのときはマックスが支配していて、レッドブルが先行しすぎてポイント差が開いてしまった。そこから挽回するのは難しすぎた」 「だから誇りに思う。ここまでタイトル争いを持ってこれたのは他の誰でもなく、僕たちなんだ」 ノリスは、マクラーレンがコンストラクターズ選手権のリードを保つためにフェラーリ勢を打ち負かすことに主眼を置いていることを認めた。 MCL38の特性上、ソフトタイヤではフロントがグレイニング(ささくれ摩耗)の影響を受けやすいため、ノリスは硬めのタイヤを履いたタイミングでマクラーレンが良いパフォーマンスを発揮することを期待している。 「現時点では、(フェラーリに勝つことを望んでいると)そう言うしかない。明日はハードタイヤを履けば、少しは僕たちの思い通りになるかもしれない」 「今年はどのレースもグレイニングに苦しんだ。僕たちは柔らかいタイヤでは良くないんだ。それは今も同じだけど、予選ラップの時点ですでにグレイニングが出始めているようだ」 「こういうコンディションではかなり苦労する。だから、ミディアムを履いたときは……それでもまだグレイニングが出やすいんだけど、ハードタイヤを履いたときに少しでもうまく行けばいいと思っている」 「フロントタイヤに関しては、このマシンの弱点としか言いようがない。ここしばらくの課題だったんだ。今のところ、望んでいたようなタックルができていない。だからその代償を払っているんだ」 「僕たちは楽観的であり、何が達成できるかを前向きに考えるだろう。魔法のようなことは期待していないけど、長いレースだからね」
Jake Boxall-Legge, Filip Cleeren