横浜清陵が来春センバツ21世紀枠候補入り 女優・斉藤由貴の母校 神奈川県勢では初
日本高野連は13日、第97回選抜高校野球大会(来年3月18日から13日間・甲子園)の21世紀枠候補として、関東・東京地区では秋季神奈川大会8強の横浜清陵(神奈川)、秋季九州大会8強で離島からの出場を目指す壱岐(長崎)、選手11人で秋季中国大会ベスト8の大田(島根)など9校を発表した。神奈川県勢の候補入りは初。来年1月24日の選考委員会で、前回大会と同様に2校が選ばれる。神宮大会枠1校を含めた一般選考は30校。 【表でみる】来春センバツ21世紀枠候補に入った9校 1974年の設立以来、春夏通じて初の甲子園出場へ、大きな一歩となった。主な卒業生には女優、斉藤由貴(58)がいる県立校の横浜清陵が、神奈川県勢では初となる21世紀枠候補(地区代表)に選出。2年生の部員は北海道に修学旅行中のため、野原慎太郎監督(42)が横浜市の同校で取材に応じ「不思議な感じです。周りの方に評価していただけていることはありがたい」と語った。 1年生12人、2年生12人、女子マネジャー1人の計25人で構成される同チーム。最大の特長は選考理由にも記載された生徒による「自治」だ。練習メニューや、試合での作戦の変更などは、選手と監督が話し合って決定。東海大相模で2000年に背番号10の控え投手として選抜大会優勝を経験し、20年から指揮を執る野原監督は「選手と(監督が)一緒に部活をよくしていくという考えで始めた」と意図を説明した。 昨秋からは春季、秋季大会限定で背番号を『あいうえお順』で決める取り組みを実施した。「番号で先入観を持つことがいい方に働いてないと疑問があった」と指揮官。「試合の前半に出ているのもレギュラー。後半に出ているのも勝ち負けを背負うのでレギュラー」という考えから、背番号への固定概念を排除。メンバー全員が意識高く試合に臨む環境作りを進めた。 今秋の神奈川県大会は準々決勝で東海大相模に0-5で敗れたが、公立校としては唯一のベスト8入り。平日の練習は主にサッカー部とグラウンドを併用。午後4時から6時半までと長くはない練習時間の中、強豪私学の牙城に食い込む実力を付けたことが評価された。 来年1月24日の選考委員会で、21世紀枠2校が選出される。野原監督は「自分たちのできることだけを考えてやろうということを選手と話して決めた」と冬場のレベルアップに向けて意気込みを語った。(児嶋基)