「ほとんど芯に当たらない…」ショット不調でも『65』 宮里優作を支えた新パター
<ANAオープン 初日◇12日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72> 小ぶりになりました 宮里優作の新パター【写真】 午前組の宮里優作が1イーグル・6バーディ・1ボギー「65」をマークして上々発進。ショットは不調ながら、今週から投入した新パターが好スコアにつながった。 1番からスタートすると3番パー3でボギーが来てしまう。しかし、5番で211ヤードのセカンドを4番アイアンで放つと、これが3メートルについてイーグル奪取。そこから波に乗り、小気味よく6つのバーディを奪った。特にパッティングが冴え、5~10メートル弱のパットを次々と沈めていった。 今週から新パターを投入。これまで使用してきた長尺パターに変わりはないが、ヘッドがやや小ぶりになったというスコッティキャメロンのプロトタイプだ。「ライン、タッチともに良かった」と宮里を支えた。 その一方で、ショットは「ダメです。ミスヒットが多くて、よくこのスコアで上がったなというくらい」と唇をかむ。「ほとんど芯に当たらなかったです。きょうの調子を駆使して、攻めることなくやりました。距離感だけは大切にして…」とこれから練習場で調整に励む。それでも好スタートを切ったのは事実。「(今季は)優勝争いはしていないので。まずは優勝争いをして、自分のゴルフがどうなるかっていうのを見たいですね」。手探り状態の中でどこまでできるのか。残りのラウンドは試金石になりそうだ。 今大会は今年で50回の節目を迎えている。「アマチュアの時からずっと出させていただいて、ジャンボさんの最後の優勝も目の前で見させていただいた。思い入れのある大会」と感慨深そうに話す。ジャンボこと尾崎将司が最後に勝利を挙げた2002年に、宮里は6位タイに入りベストアマを獲得した。そうそうたる顔ぶれが歴代覇者に名を連ねる伝統の一戦。ぜひ自身の名前もそこに刻みたいところだが、「ショット次第ですね」とそこは現実的だ。 今年1月に発症した左ひざの「半月板断裂」もあり、決して体調は万全ではない中で、今季は開幕戦以外の全試合に出場。「Sansan KBCオーガスタ」から4連戦目とあって、さすがに「疲れています」と本音を漏らすが「練習量も減ってしまう中で、なんとかするしかない」とゴルフに対しての集中力は変わらない。 最後は「あすもしっかり伸ばしていくことが大事なので、頑張ります」と締めた宮里。満身創痍のなか、プレーをする姿はまさに鉄人だ。(文・齊藤啓介)