「さらばモデル年金」誰も知らない財政検証の進化
働き損だとかいうおかしなことを言っていた彼らは、セーフティネットである生活保護は保険料を払うことなくもらえるから、働かない方が得だと言っているようなものです。 ネガティブな情報はポジティブな情報よりも7倍の影響力を持つとも言われていますが、年金制度に関するデマをいかに正すか。年金周りではそうした話が多すぎてですね。 東京都は、国よりも率先して、日本で一番、正確な理解を促進する活動をしてくれています。そうしたことが、女性のキャリアアップ、自己実現を追求できる社会に向けてとても重要かと思います。今日のこのくらし方会議も、夢と希望のある未来に向けてみんなで闊達に議論をしてらいたいと思います。
日本の年金制度に関しては、昭和的利用と令和的利用があると考えればいいと思います。片働き世帯における扶養家族へのセーフティネットを備えた日本の年金制度は、生きている人々を取り巻く環境が大きく変わっても、その利用の仕方は昭和的利用から令和的利用に変わるとしても時代の変化に適応できるように設計されています。 こう考えていくと、目下、最優先の年金政策は、より多くの人が厚生年金という所得の分配装置を利用できるようにすることになります。これは、厚生年金の適用拡大、今は勤労者には勤労者にふさわしい保障をということで勤労者皆保険の実現とも呼ばれています(「第3号被保険者、就業調整は賃金も年金も損」)。
と同時に、女性がより長く厚生年金に加入できるように、育児・介護と仕事の両立支援を一層充実させていくことも、年金政策として極めて重要です。 ■公的年金の給付3原則とは何か 今後、適用拡大や女性の社会進出がこれまでのトレンドで進む中、女性が厚生年金により多く加入していくことになるでしょう。 そうした側面を、支え手が増えるから年金の財政が改善されると説明する人は多いと思います。しかし、その実態は、女性の厚生年金の加入期間が長くなり、彼女たちの給付額が増えるということにほかなりません。