チベットの民族衣装で記念撮影する中国人観光客に違和感 九寨溝国立公園
ユネスコの世界遺産となっている九寨溝国立公園を訪れた。四川省北部のチベット族自治州の山中にある自然保護区だ。それまで見たことのないほど神秘的に透き通った緑や青の湖の数々が美しい。 折しも中国最大の休日の一つで、5億人以上が旅行するといわれる国慶節を終えた直後。その余波でどこもごった返していた。 「寨」とはチベット族の村を表す言葉。今は中国人観光客で賑わうこの公園も、元はといえば9つのチベット人の村があった土地だった。
山と湖を背景にした記念撮影のための、民族衣装のレンタルがあった。なかなか人気があって、色鮮やかな衣装をまとった中国人観光客たちが次々に笑顔でポーズをとっていく。しかしこの衣装が、己の政府が弾圧し続けるチベット民族のものだということを、果たして彼らは知っているのだろうか? (2015年10月撮影)