【新フラッグシップCX-80に初試乗】ラージ商品群はマツダの将来を左右する大きな挑戦!
突き上げを感じる足まわりに課題あり
徳島と神戸を往復する形で催された1泊2日のCX-80試乗会で、我々に割り当てられたのはソウルレッドクリスタルメタリックの『PHEVプレミアムスポーツ』(2.5リッター直列4気筒+モーター/価格719万9500円)と、ロジウムホワイトプレミアムメタリックの『XDハイブリッド・エクスクルーシブ・スポーツ』(3.3リッター直列6気筒ディーゼルのマイルドハイブリッド/同587万9500円)の2台。 残念ながら、事前にベストバイと予想していた『XD』(3.3リッター直列6気筒ディーゼル)は、くじ引きで外れてしまったので、これは後日の楽しみに残しておくことにする。ちなみに日本市場のCX-80はその3パワートレインが用意され、基本的にはAWDだが、XDのみ2WDをラインナップする。 試乗会初日はPHEVだった。まず思ったのは内外装のデザインが素晴らしいこと。ナッパレザーに一部レガーヌと呼ばれる素材を組み合わせた内装のタンカラーはいかにも仕立てがよく、700万円オーバーの価格に見合うものだ。 PHEVはEVモードもあるので、街中での走行マナーはジェントルだ。車両重量は2240kgもあるが、バッテリーを床下に置く低重心さも、高級車然としたフィーリングにつながっているように思う。ただ、アクセルを踏み込んでいくとその重量が逆に気になり、2.5リッター4気筒自体の吹け上りはいいのだが、身のこなしがやや重く感じた。 そして足まわりも結構突き上げがあって、ボディの上下揺れの収まりも若干悪いように思える。そこで試乗後サスペンションの担当者に聞いたところ、CX-60よりはだいぶ改善したそうだ。 簡単に書くと、CX-60の足まわりはダイレクトさを追求するため、横揺れを抑えることを決め打ちで対策してきたが、突き上げが目立ってしまったそう。そこでCX-80ではスプリングレートを下げ、減衰を上げるなどして、突き上げを丸くし、収まりをよくすること目指したというが、個人的にはもうひと息という印象だ。 翌日試乗した直6ディーゼル(マイルドハイブリッド)は、やはり素晴らしいフィーリングだった。加速感も安定感もよく、いい意味で速度感を覚えさせないのは、CX-80がいいクルマである証拠のように思えた。残念ながら足まわりの突き上げがまだ感じるが、PHEVよりはだいぶ抑えた印象。車重が2100kgと140kg軽いのは無関係でないだろう。ちなみにXDはもう100kg軽いので、乗り味はもう少し期待できそうだ。