「近大マグロ」だけじゃない 食欲の秋全開! 大学美味ブランド
一昨年、『岡大農場』を商標登録した岡山大には、白桃のジュレ、プリン、アイスの最強トリオ。ピオーネと藤稔を使ったぶどう版もあります。同大では『おお岡大』と銘打つ日本酒、梅酒、芋焼酎も人気です。世界で初めて植物乳酸菌からヨーグルトを開発したのはお隣り広島大。その名も『BioUniv Hiroshima』ブランドは漬物や梅酒、パン、フルーツゼリーにも広がっています。 瀬戸内海を隔てた愛媛大は2010年に「愛大ショップえみか」をオープン。付属農場の野菜や米、日本酒『姫の酒』などと並ぶ売れ筋の『愛大ロール』は、生クリームとみかんクリームの甘酸っぱさが絶妙とのことです。 九州に渡れば、九州大の九大農場ブランドの『はかた地どりのブルスト』は地鶏100%の逸品ソーセージ、佐賀大の『バラフ』は南アフリカ原産のアイスプラントを初めて野菜化、化粧品やスイーツにも応用されています。レトロ感がステキな熊本大『五高珈琲』のパッケージは、旧制五高で教鞭をとった夏目漱石(浅煎り)と小泉八雲(深煎り)、五高記念館(レギュラー)の3種。浅煎りの軽い口当たりは初期の漱石作品を彷彿させるそうです。鹿児島大には芋焼酎の5銘柄。『きばいやんせ』『春秋謳歌』『天翔宙』『宇宙だより』『進取の気風』気宇壮大な学風を感じます。 と、駆け足で紹介したのはごくごく一部。5月に新宿高島屋で開かれた「第7回『大学は美味しい!!』フェア」には全国から過去最多の38大学が参加し、2010年刊の『事典 日本の大学ブランド商品』(日外アソシエーツ)に掲載された大学ブランド食品(飲料・酒類・調味料を含む)はおよそ280種を数えます。もちろん、ゆるキャラからロボットスーツまで食品以外のブランドはさらに多種多様です。 少子化・低出生率を背景とした大学サバイバル時代。定員割れが相次ぐ私大はもちろん、国立大も2004年度の法人化以降、厳しい競争に直面しています。個性と競争力の象徴であり、親近感を生む広報ツールにも地域連携のシンボルにもなる大学ブランド商品。その役割はますます大きくなりそうです。 (文責・武蔵インターナショナル)