「近大マグロ」だけじゃない 食欲の秋全開! 大学美味ブランド
お米といえば早稲田です(?)が、秋田県大潟村あきたこまちの玄米を早大のソフトスチーム技術で加工した『奇跡の早稲田米物語り』は、栄養価はそのままに、においやえぐみを解消。天然アミノ酸のGABAやブドウ糖が増えて味は上々だそう。かたや慶応大は連携協定を結ぶ山梨県富士吉田市とのコラボレーションから生まれた『慶應の水』。30年の歳月をかけて湧き出した富士山の伏流水が、紺地に赤線の慶応カラーのボトルに入ってスマートなミネラルウォーターになりました。 お米と水なら、次はお酒。東京大には「幻の泡盛」と呼ばれる『御酒(うさき)』があります。戦火を逃れて東大に保存されていた沖縄黒麹菌を培養・発酵、半世紀ぶりに復活させたものです。ほかにも首都圏なら筑波大の『桐の華』や埼玉大の『鳳翔閣』。山梨大では国内唯一のワイン科学研究センターが、地元ワイナリーと協働して数々の大学ブランドワインを発表しています。海洋酵母を使った世界初のワインや県内の山ブドウと欧州系のワイン用品種を交配させた新品種など、さすがアカデミック! お酒つながりでは静岡大に『静大育ち』、名古屋大には『なごみ桜』、そして三重大の『三重大學』は同大の初ブランド商品。以降、実習船の船長おすすめ『三重大学カレー』や県内で捕獲された鹿肉を使った『欧風ジビエカレー』、さらに『学長バウム』『学長せんべい』と縦横無尽に展開中です。 あちらが船長と学長なら京都大は総長、というわけで尾池和夫第24代総長(2003~2008)のカレー好きが高じて自らプロデュースしたビーフカレーが『総長カレー』。香味野菜と香料とトマトで仕上げたソースにりんごとバナナ、ココナッツを加えた本格派で、京大正門前レストランの限定レシピをレトルトで再現したそう。 もうひとつの古都には奈良女子大の「奈良漬プロジェクト」から生まれた『奈良漬アイス』が。アイスに練り込む2種類の大和野菜と奈良漬は衛生面や保存性に配慮して粉末化、漬物のにおいも抑えられ「甘さ控えめ、さっぱりとして食べやすい」と評判です。 一方、お洒落で洗練されたイメージの神戸大ブランドの原点は『神大の』と大きく書かれた出荷箱入りのキャベツやじゃがいも。飼料、繁殖・肥育の一貫体制から生まれた『神戸大学ビーフ』はすべての肉に識別番号が配され、ホームページで血統や格付け、餌や薬までわかる文字通りのブランド牛です。