JERA、英石油大手シェルをモデルにシンクタンク組織設立-関係者
(ブルームバーグ): 国内最大の発電事業者JERA(ジェラ)が英石油大手シェルをモデルにシンクタンク組織を設立したことが分かった。
ブルームバーグが確認したメモによると、国内外のエネルギー動向などを調査する組織「JERA Global Institute」を1日付で設立した。みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下のみずほリサーチ&テクノロジーズの技術・事業開発本部長などの経験がある宗国修治氏がトップに就いたという。
正式発表前だとして匿名を条件に話したJERAの関係者によると、設立時点ではシンクタンク組織は日本人を中心に30人強が所属する。将来的には人員を拡大し、米国・欧州・アジアにそれぞれ人を置き海外の調査を充実させる考えだ。
JERAの広報担当者はコメントを控えた。
JERAの新組織が目指すのは、シェルで経営幹部に助言するための長期予測を作成する「シナリオチーム」だ。国際エネルギー機関(IEA)でチーフエコノミストを務めたラズロ・バロー氏が現在率いる同チームは、かつて1970年代の第一次石油ショックを予見したことなどで知られる。
脱炭素化の流れや地政学リスクの高まりなどによりエネルギー業界を取り巻く状況は複雑さを増している。JERAの新組織は国内外のエネルギー関連の動きに加え、マクロ経済や各国の政治・政策、主要産業、技術の進展など幅広い分野の調査を行い、経営陣が適切な判断を下せるよう支援をしていく。
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Tsuyoshi Inajima