2つの太陽をもつ惑星のナゾ
映画「スター・ウォーズ」に登場するタトゥイーン星。2つの太陽を持つ砂漠の惑星で、アナキンとルークが過ごした故郷です。2つの太陽を持つ惑星は、実際に存在しています。しかし、どうして太陽を2つも持つようになったのでしょうか? 最新の研究によると、どうやら惑星は遠く離れた場所から移動してきたらしいことが分かりました。 [図]2015年4月4日に日本で皆既月食
2つの太陽がペアを組んで、互いに回りあっている星を「連星」と言います。この連星を回るのが「周連星惑星(しゅうれんせいわくせい)」と呼ばれる惑星です。周連星惑星は2011年に初めて見つかったばかりで、発見例はまだまだ少なく、詳しいことは分かっていません。 通常、惑星は太陽の周囲にある岩石やガスが集まって一つの塊になることで形作られます。しかし、連星の近くでは、強い重力の関係で材料となる岩がぶつかりあって粉々になってしまい、惑星ができるのは難しいと言われてきました。 イギリスのブリストル大学による最新の研究でも同じ結果が出ました。2012年に発見された「ケプラー34b」という惑星をサンプルにして、およそ100万個の天体の衝突過程を精密にシミュレーションしたのです。そうすると、やはりケプラー34bがいまある場所で、大きな惑星に成長するのは難しいという結果が出たのです。 じゃあ、どうやって「ケプラー34b」はできたのでしょうか? 「連星から遠く離れた場所で形成され、その後今ある場所に移動してきたと考える方が妥当ではないか?」。研究者はそう考えています。 この研究結果からすると、これまでに見つかっている周連星惑星のほとんどが、元の位置からかなり動いて今の位置にやってきたと考えられるのです。 (監修:アストロアーツ)