次の大河ドラマの主人公・蔦屋重三郎はこうして成り上がった…今も通用する「薄利だが確実な」儲け方
■「ストックビジネス」の先駆けとなり、安定した経営基盤を築く その他の出版物も、吉原からの求めに応じてつくられた贈答本やイベントのガイドブックが主力商品でした。制作費は発注元が出してくれるのでリスクはなく、定期的に発行されるので確実に利益があがりました。 他にも往来物と呼ばれる寺子屋の教科書なども手がけました。薄利ながら長期にわたって同じものを刷れば一定の売り上げと利益が見込める商品です。 「吉原細見」をはじめとするこれらの出版物により、蔦重は安定した収入を得ることができたのです。現在で言うところの「ストックビジネス」の先駆けだと言えるでしょう。小さな貸本屋から始まった耕書堂ですが、蔦重はまずは安定した経営基盤を築き上げることに注力したのです。 ---------- 川上 徹也(かわかみ・てつや) コピーライター 1985年、大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。2008年、湘南ストーリーブランディング研究所を設立。『あの演説はなぜ人を動かしたのか』など著書多数。 ----------
コピーライター 川上 徹也