WBO会長が3つのサプライズ発言!「井上尚弥vsカシメロ」「井岡一翔vs田中恒成」「村田諒太vsアンドラーデ」
田中は「4階級制覇」、「井岡との対戦」を目標に掲げていたが、WBOトップ主導のカタチでそのドリームマッチが実現するとは思いも寄らなかっただろう。 ただ井岡は、これまで「田中に興味はない。日本でダラダラ試合をするつもりはない」と語っており、今後、井岡陣営が、この会長発言にどう反応するかにも注目が集まる。 いずれにしろ両者が大晦日の防衛戦を同時に成功することが条件のカード。田中は、選択試合で負ける不安要素は少ないが、井岡は激戦が予想される指名試合である。 バルカルセル会長は、「どっちもがタフなファイターだし素晴らしい試合になるだろう」と2人の対戦に期待した。 さらにバルカルセル会長のサプライズ発言は続いた。 WBA世界ミドル級王者の村田が23日に横浜アリーナでWBOの指名挑戦権を持っていたスティーブン・バトラー(カナダ)の挑戦を受けるが、「村田には、いつかWBOで試合をしてもらいたい」とラブコールを送ったのだ。 WBO世界同級王者、アンドラーデとの統一戦構想を歓迎。 「もし日本のヒーローであり、チケットの売れる村田が(WBOに)来てくれるなら、こんなに嬉しいことはない。(アンドラーデとの統一戦を)実現できるように我々も何かしたい」 バルカルセル会長は、そこまで言及した。 村田の最終目標は、サウル“カネロ“アルバレス(メキシコ)と、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)のビッグ2。だが、アルバレスは、2階級上のWBO世界ライトヘビー級のタイトルを奪うなど、戦いの場所を他へと広げていて、村田にチャンスが巡ってくるのは難しい状況。一方、一時は、東京ドーム決戦が決まりかけていたゴロフキン戦の可能性は十分にあるが、ゴロフキン陣営は、アルバレスとの3戦目をターゲットに定めており実現のハードルは高い。 この2人と戦うためのチケットを確実に手にするためには、同じくこの2人との試合を熱望している無敗のサウスポーのテクニシャン、アンドラーデとの統一戦に舵を切るのは「あり」なのかもしれない。日本人のミドル級での団体統一戦など今後組まれることはないだろう。WBO会長のサプライズ発言で、村田が初防衛戦を乗り越えた次戦の選択肢が増えたことは確かだ。 「夢かもしれないが、言葉に出すことで夢が実現する」 日本のボクシングファンを歓喜させるような3つのビッグカード構想を明らかにしたバルカルセル会長は、こうも言った。 なるほど仰る通りである。 昨今問題となっている計量失格に対するペナルティなどの対策や、アンチドーピングに対する新たな取り組みなどについて明確なビジョンがなかったのは残念だったが、プロボクシングが、夢を売るスポーツである限り、たとえ、初の日本での総会開催に注目を集めるためのリップサービスだったとしても、こういう話題提供は必要だろう。 井上vsカシメロ以外の2つのカードは、年末に待ち受ける過酷な防衛戦を乗り越えることが実現の条件となる。