新札が発行されましたが、もともと古かった「聖徳太子」の一万円などはまだ使えるのでしょうか?
2024年7月3日に新たな一万円札、五千円札、千円札が発行され、肖像画などのデザインが一新されました。流通量は次第に増えていきますが、依然として前のデザインのお札が財布に入っている方も多いでしょう。 最新だった福沢諭吉の一万円札は旧札になりますが、新札の発行前に既に旧札だった聖徳太子の一万円札を未だに持っている方もいるかもしれません。中には、まだ使えるのか不安に感じる方もいるでしょう。 そこで本記事では、古い旧札の取り扱いについて解説します。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
現在でも使えるお札は?
日本銀行によると、現在発行されている銀行券、いわゆるお札は一万円札・五千円札・二千円札・千円札となっています。 肖像は一万円札が渋沢栄一と福沢諭吉、五千円札が津田梅子と樋口一葉、千円札が北里柴三郎と野口英世であり、二千円札の表面には守礼門が描かれています。つまり、聖徳太子が描かれている一万円札などは現在発行されていません。 日本銀行が銀行券を発行し始めた1885年以降、現在までで56種類の銀行券が発行されました。このうち、現在では25種類の銀行券が有効とされています。 25種類の中には聖徳太子の一万円札や五千円札、千円札も含まれます。レジなどの関係で実店舗では使えないことがありますが、五百円札や百円札も25種類の中に含まれるため、有効な銀行券のひとつです。 貨幣、いわゆる硬貨においても発行は終了しているものの、現在でも有効とされるものがあります。例えば、1957年に発行された鳳凰が描かれている百円玉などです。
旧札はいつか使えなくなる?
過去に発行された56種類の銀行券のうち、現在は25種類が有効とされています。裏を返せば、31種類の銀行券は効力を失っており、銀行券として利用できないということです。 一度発行された銀行券は法令に基づいた特別な措置がない限り、効力を失うことはないとされています。ただし、過去3回において特別な措置が実行されているため、結果として31種類の銀行券が使えなくなっています。 過去に実行された、特別措置は以下の通りです。 ●関東大震災後の焼失兌換(だかん)券の整理 ●終戦直後におけるインフレの進行を阻止するための新円切り替え ●1円未満の小額通貨の整理 旧札をいつまでも使えるとは言い切れませんが、不測の事態による特別措置が取られなければ、基本的にはずっと使用し続けられます。つまり、特別措置が取られずに現在の状況が続けば、新たに銀行券が発行されるたびに使える旧札が増えていくということです。 なお、聖徳太子が描かれている一万円札のように、現在発行されていない銀行券は日本銀行の本支店などで、発行されている銀行券と引き換えできるとされています。 有効とはいえ、お店によっては使えない場合があるでしょう。珍しいものではありますが、いざという時に不便になる場合がある点に注意が必要です。