消えた1600万円 詐欺被害の女性が告白「あの時に戻れたら」 SNSの広告から投資勉強会へ グループ名は「年金増額計画」 不自然な「日本語」怪しむも…消費者金融からも借りて入金続ける
アシスタントの不自然な日本語メッセージ
ただ、Aさんにも「怪しい」と思える瞬間が幾度かあったと言います。最初はアシスタントから届いた音声を聞いたときです。 【実際に届いた音声】 「時間はほんとに早く過ぎてしまいますね。気づけば勝手に2週間楽しく一緒に過ごしましたね。この時間を共有してくれてありがとうございます。お忙しい仕事の合間にもゆっくり足を止めて心地よい生活を送ることを忘れないでくださいね」 Aさんはイントネーションに違和感を覚えました。他にも文章に不自然な日本語があったり、返事が定型だったりと、後から考えると「おかしい」と思えることがありました。 しかし…。 詐欺被害にあったAさん: 「あのときは、お金をどうやって準備しようという頭になっていた。自分の口座にあるお金がなくなったらカードローン、どうやったらお金が借りられるか、あの時は(金を)入れることに集中していた」
突然、口座凍結 「出金するには手数料必要」
「投資」を始めてから3週間ほど経ったある日、突然、LINEで口座凍結のメッセージが届きます。 (LINEのメッセージ) 「手数料を払わず出金し、逃げたメンバーがいる。口座を凍結するので出金するには手数料を払ってほしい」 利益の10%を手数料として別に支払わないと出金できないという通知。 表示上では、Aさんの利益は1億円に達していて、出金するには1000万円を用立てる必要がありました。
知人に相談 「詐欺ではないか」
困ったAさんは手数料を工面しようと知人に相談。すると知人はすぐに不審に思い「詐欺ではないか」と指摘したそうです。 その後、Aさんは警察に相談、被害届を出しました。 詐欺被害にあったAさん: 「(手数料)1000万円なんて絶対無理だから、まずだまされたって気づくよりも、どうしようと思って、それを払わないと。その日の夜眠れず、次の日の朝、同僚に話して説明すると『詐欺だから』って言われて。その瞬間、やっぱりそうだよなって思った」
急増するSNS型投資詐欺 県警「ネット上に様々なわな」
SNS型の投資詐欺はAさんのケースのように被害額が大きくなりがち。県警によりますと、今年1月から4月末までの被害は49件・およそ6億2900万円。1件あたり1280万円となります。件数・被害額ともに2023年の同じ時期に比べ大幅に増えています。 県警特殊詐欺抑止対策室・南沢朗室長: 「広告自体に著名人の顔写真が転用されていて、この人がやっているならと安心してだまされる。最近の手口だと、動画投稿サイトやインターネット上の広告、スマホのゲームの広告からという場合もある。インターネット上のさまざまなところにわなが仕掛けられている印象」 「SNS型」は「スマホ」で完結することから、第三者が介入しにくく、長期にわたってしまうケースが多いと言います。