震度1以上70回超 県内「5弱」後 全て石川西方沖震源
能登地方で26日に最大震度5弱の揺れを観測して以降、石川県内では27日にかけて震度1~3の地震が頻発し、28日午前0時までに計71回となった。震源はいずれも県西方沖で、地震の規模を表すマグニチュード(M)は2・7~4・9と推定される。地震により運転を見合わせていた北陸新幹線の富山-金沢間は未明に運行を再開、倶利伽羅トンネル内で緊急停止した列車などで4時間弱足止めとなった乗客は濃い疲労の色を浮かべた。 26日午後10時47分ごろに起きた地震はM6・6と推定され、輪島市門前と志賀町香能で震度5弱を観測した。以降も石川西方沖を震源とする小さな地震が続いており、気象庁は今後1週間程度は震度5弱の揺れに注意するよう呼び掛けている。 羽咋市役所の敷地内に設置された震度計は、元日の能登半島地震により地盤が傾いた影響で、26日夜の地震では震度を観測できなかった。気象庁は、周辺地域の震度分布や地盤などから、市役所の震度が「震度5弱以上と考えられる」としている。市内の別の震度計では震度4が観測された。 金沢地方気象台によると、市役所の震度計は防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が設置。元日の地震以降は震度情報として活用していない。 JR西日本金沢支社によると、北陸新幹線は黒部宇奈月温泉-越前たけふ間で一時停電が起き、運転を見合わせていた富山-金沢間は27日午前2時33分に再開。「かがやき」「つるぎ」の計3本が運休したほか、上下線計6本に最大で3時間55分の遅れが生じ、約630人に影響した。 IRいしかわ鉄道は金沢-倶利伽羅駅間で運転を見合わせ、午前0時11分に再開した。普通列車3本が運休、計7本に最大で3時間20分の遅れが出た。北陸鉄道によると、浅野川線で橋の安全確認を行ったため、26、27日に計2本が全区間で、計6本が内灘―三ツ屋間で運休した。 北陸新幹線とIR、北鉄は27日はおおむね通常通り運行した。 能登半島地震や9月の豪雨からの復旧作業に当たる石川県の災害ボランティアは27日、活動を中止。羽咋市や志賀町、中能登町は自主避難所を開設した。 北陸電力によると、運転停止中の志賀原発1、2号機の設備に異常はなく、原発に設置している放射線監視装置(モニタリングポスト)の数値にも変化はなかった。敷地内に海水を引き込んでいる取水槽の水位計では、平常時からプラス約60センチ~マイナス約70センチの変動があった。 ●加賀、揺れでぼやか 26日午後10時49分ごろ、加賀市大聖寺山田町、真宗大谷派龍谷山願成寺の仏具倉庫外壁の電気配線から出火、通行人が消火器2本を使って間もなく消し止めた。けが人はいなかった。加賀市消防本部は電気ショートで出火した可能性が大きいとみて、地震との関係も含めて詳しい原因を調べている。