フェルナンド・アロンソ、ニューウェイ手掛けた“公道F1”ヴァルキリー納車「この日をどれだけ待ち望んでいたか!」
アストンマーティンは、同ブランドのF1チームに所属する2度のF1世界チャンピオン、フェルナンド・アロンソにヴァルキリーをデリバリーしたと発表した。 【ギャラリー】来季WEC/IMSA投入へ。アストンマーティン・ヴァルキリーAMR-LMH初期テスト ヴァルキリーは、アストンマーティンがレッドブル・レーシングのメインスポンサーを務めていた時代に、“空力の鬼才”ことエイドリアン・ニューウェイがデザインを手掛けた1台。コスワース製6.5リッターV12エンジンを搭載し、モーターアシストを含めると最大出力1176馬力、最大トルク900Nmを発生させる。 またボディにカーボンを使用することで車重は約1000kg。現行F1レギュレーションにも採用されているグラウンドエフェクトを発生させるベンチュリトンネルを設け、公道走行が可能ながらF1マシンのDNAを宿したハイパーカーと言えるスペックだ。 今回アロンソに届けられたヴァルキリーは、アストンマーティンのビスポーク部門Q by Aston Martinのデザインチームと共同で制作された特別仕様となり、今季のF1に投入されているAMR24に着想を得たという。 ボディにはサテンのアストンマーティン・レーシンググリーンのペイントが施され、ライムカラーのハイライトがフロントリップスポイラーやホイールアーチなどに施された。ルーフやエンジンカバー、ロア・エアロはカーボンむき出しとなっており、こうした組み合わせがF1をはじめAMRのファクトリーマシンらしさを醸し出している。 またチタン製のアストンマーティン・ウィングバッジがノーズを飾り、リヤには「CAUTION HOT(高温注意)」の特別グラフィックスが施された。モナコ籍のナンバープレートは、アロンソのカーナンバーである#14から「014S」となっている。 この14という数字は、レッド・アルマイト仕上げのアクセルペダルにも刻まれている。また、ピュアブラックのアルカンターラで仕上げられたインテリアでは、ヘッドレストにライムカラーでアロンソのロゴが刺繍されている。 「この日をどれほど心待ちにしていたかは、言葉では言い表しがたいものがある」 アロンソは特別仕様のヴァルキリーについてそう語った。 「自分の、しかもQ by Aston Martinのチームと密接に協力して創り上げたヴァルキリーの運転席に座った、忘れられない日となるはずだ」 「ヴァルキリーは公道で走ることのできる真のF1マシンだ。アストンマーティンのサーキット経験から得られた知識と技術が本当に多く詰め込まれていて、走らせてみるのが待ち切れない」 そう語ったアロンソはモナコに届けられた特別仕様のヴァルキリーを8月末に受け取り、モンテカルロ・ベイ・ホテルから早速モナコ市街に繰り出した。 モナコではアロンソ仕様のヴァルキリーが路肩で停止している様子が目撃されており、ソーシャルメディアには納車早々に技術トラブルに見舞われたのではないかという情報が出回った。 ただ、これについてアロンソはX(旧Twitter)を介してスペインメディアに、“遠くの情報源”というハッシュタグと大笑いする顔文字を付けて「信憑性アリ」とリプライしており、誤情報の可能性が高い。 なお、アロンソはアストンマーティンF1チームだけでなくブランドそのものにも深く関わっている。最近では、アロンソから直々の依頼で誕生したスペシャルマシン、ヴァリアントが発表され、本人も限定生産38台のうち1台を実際に購入しているという。こちらも特別仕様に仕上げられるようだ。
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