「私が拘束されれば政権崩壊」ミョン・テギュン氏の暴露が戒厳の引き金か
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が昨年11月にキム・ヨンヒョン前国防部長官に会い、尹大統領夫妻の候補公認介入疑惑のカギを握る人物であるミョン・テギュン氏に言及し、非常対策の必要性を主張していた。このような証言が確保された。その後、「私が拘束されれば政権は1カ月以内に崩壊する」というミョン氏の発言の通り、尹大統領はまもなく内乱罪の容疑者となった。 検察の非常戒厳特別捜査本部(本部長:パク・セヒョン高等検察庁長)は、昨年11月24日にソウル龍山区漢南洞(ヨンサング・ハンナムドン)の大統領官邸で尹大統領とキム前長官との間で交わされた言葉についての供述を確保した。この時、尹大統領はキム前長官に国会の状況などを語りながら「特段の対策」に言及するなど、戒厳実行の意思を明確にしたという。さらに尹大統領は、野党によるミョン氏公認介入疑惑の提起▽共に民主党のイ・ジェミョン代表の裁判と捜査にかかわった判事および検事の弾劾の可能性▽キム前長官の弾劾などに言及しつつ、「未来世代にきちんとした国を作ってやるためには、特段の対策が必要だ」と発言したという。 尹大統領がキム前長官にミョン氏について語ったのは、公認介入疑惑の波紋が広がっていた時期だ。民主党は昨年10月31日、2022年5月9日に尹大統領とミョン氏が国民の力のキム・ヨンソン前議員の公認について語り合っている通話の音声を公開した。昨年11月15日にはミョン氏が政治資金法違反容疑などで拘束された。ミョン氏は「私が拘束されれば政権は1カ月以内に崩壊する」と述べ、さらなる暴露の可能性を示唆してもいる。 キム前長官が本格的に戒厳を準備しはじめたのも、この時からだ。検察の捜査によると、キム前長官は尹大統領がミョン氏について言及した日である昨年11月24日から12月1日にかけて、朴槿恵(パク・クネ)政権時代に国軍機務司令部(現国軍防諜司令部)の主導で作成された戒厳令文書や過去の非常戒厳下で宣布された布告令などを参考に、戒厳宣布文および布告令の草案などを作成した。 カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )