今話題「シュトレン」て?作り始めて35年、年間5000本。飛騨高山の「トラン・ブルー」が奏でる日本最高のシュトレン
バターの酸化を防ぐ、粉糖の役目
「バターは酸化する」そう話す成瀬さん。シュトレンの封を開けて、まず驚くのはその粉糖の量。粉糖を厚くしてバターの酸化を防ぐ意味合いがあるそう。バターは何よりも劣化が早いため、なるべくその酸化を防ぐことが大切なんだとか。そのため「トラン・ブルー」のシュトレンは、成瀬さんいわく「熟成」が好きな方はいるものの、早いうちに食べていただくのをおすすめしているそう。 またシュトレンの正しい保存方法は、実は届いたら冷蔵庫で保管するのがおすすめだそう。成瀬さん「ジップロック等でもいいですし、しっかり密封をしてください。2か月ぐらいは日持ちして、美味しくいただけますよ」。 またトランブルーの大きな特徴は「ナッツの香ばしさ」。パティスリーや他のパン屋よりはナッツを多くいれているそうで、成瀬さん自身がナッツが好きというのもありますが、この香ばしさ、そしてシュトレンの外側のガリっとしたキャラメルっぽい食感が絶妙にマッチすることを考えているそう。 特に香ばしさの決め手はアーモンド。ナッツも酸化が早いそうで、こだわりとしては製造の前日にローストしているそう。また中に入っているフルーツは何十年も継ぎ足し継ぎ足しして旨味やコクを出しています。
“ブレない気持ちで、一年に一回の楽しみをお客様に届けたい”
始めた当初は、70本だった数が今では5000本以上に。年々予約数も増えて、休日返上でひたすら作り続ける成瀬さん。なぜそこまでシュトレンづくりに精を出すのか、伺いました。 成瀬さん「気持ちとしては、1本であろうが5000本であろうが一緒の気持ちでやっています。それは、何十年も買ってくださる方がいて、そういった皆様の年一回のお楽しみをお届けしていきたい、そう強く想っています。そして今年初めて『トラン・ブルー』に出会って、注文をする初めての方々にもなるべく応えたい。味もそうですが、気持ちもブレずに皆さんに応えていきたい、その想いだけで毎年作り続けています。」 取材日は、11月3日。シュトレン作りも真っ只中で、取材のお時間をいただいた成瀬さん。控えめでありながら、シュトレンというものの魅力を、そして年に1回の楽しみを多くの人に知ってもらいたい、そんな想いを感じる取材でした。日本最高のシュトレンといっても過言ではないシュトレン。今年の分は入手が難しいかもしれませんが、ぜひ次回トライしてみてはいかがでしょうか。 About Shop トランブルー 岐阜県高山市西之一色町1丁目73-5 営業時間:9:30~17:30 定休日:火、水
ufu.編集長 坂井勇太朗