今話題「シュトレン」て?作り始めて35年、年間5000本。飛騨高山の「トラン・ブルー」が奏でる日本最高のシュトレン
70本の販売から始まる「トラン・ブルー」のシュトレン
成瀬さん「シュトレンは、パン酵母を使ったパンの一種です。世の中にはクリスマスケーキがありますが、パンの世界で技術を活かして、こういうクリスマスで楽しめるものを作ろうと思ったことや、最初に出会ったときのインパクトが残っていたので挑戦しました。 何度も試作し、その当時販売していたものは今とは全く違うものでした。飛騨高山に帰ってきた当初は宅配事業をやっていたんです。クリスマスにこんな面白いものがあるよと、パンをとってくださる方に提案してみたのがきっかけで、常連さんに買っていただきました。最初は70本ぐらいからのスタートでした。これが最初のシュトレンの販売でした。 これはパンなの?なんなの?とお客さんからもびっくりされて、お歳暮のニーズとも合致し、贈られてきて食べた方が注文してくださり、年を重ねるごとに注文数はどんどん増えてきました。当時はネットの情報も発達していませんでしたから、こうした口コミでシュトレンが知名度を上げていきました。 大きなきっかけは、2016年。日経新聞が企画としてやられているプラスワンのランキングです。シュトレンランキングでおかげさまで一位に選んでいただいて、そこから注文数は倍ぐらいになったんです。本当にありがたいことです。」
パン屋だからこそ作れる最高のシュトレン。美味しさの秘密は酵母と、数g単位で調整するバター
「トラン・ブルー」のシュトレンは、封を開けると真っ白な粉糖が。まるで飛騨高山の雪景色のようで、ナイフを入れればサクっと音がする時点で、もう美味しい。口に入れれば、カリッとした食感に粉糖のふわっとした食感、そして中のナッツとフルーツのコクが、口の中で混ざり合うこの美味しさは、他のシュトレンにない、唯一無二の美味しさ。 成瀬さんにこだわりを伺うと、やはりパン屋なのでパン酵母の使い方がキーポイントなんだとか。発酵のコントロールは、パン屋ならでは。気温が低いとか暖かい日とか、そのあたりの発酵のポイントをしっかり抑えられるかは最もこだわっているポイント。 また工程の中で、バターにつけこむ瞬間があり、焼き上がってからすぐに漬け込むのだとか。バターは湯煎すると白い部分と、オイルの部分に分かれますが、オイルの部分だけを使っているんだとか。 何g吸わせるか。一本一本を測りで測って、調整しているそう。何十年もやってくると“どれぐらい吸わせると美味しい”というのがわかってくるそうです。