ゼレンスキー氏、日本メディアに語り尽くした1時間 千日超えたウクライナ侵攻、その行方は(前編)
米国のウクライナ(支援)方針に変更がないことを望む。殺人者と犠牲者の間で妥協点を探るようなことは、しないでほしい。国連憲章やわれわれの提案に基づいて克服すべきだ。最も重要なのは、戦争がわが国で起きているということだ。これは将来、私たちがどのような世界に住むことになるのかに関わる」 ▽ゼレンスキー氏の苦しみ ―兵士や市民が日々、命を落としていくウクライナ。ゼレンスキー氏の言葉の端々から、自国民を失う戦時の指導者の苦悩が伝わってくる。 「トランプ氏とは連絡を取り続ける。トランプ氏がホワイトハウスに入り、米国の新大統領として完全な権限を得た際、特定の問題について、もっと詳細に話し合うことができるだろう。今からチーム間の連絡を増やすべきだ。来年に向けて入念に準備しなければならない。 われわれ全員がこの戦争をできるだけ早く終わらせたいと望んでいることを理解してほしい。一刻も早く公正な平和を目にしたいと願っている。これ以上犠牲者数を数えたくない。とても苦痛だ。彼らは自由のために最も大切な命をささげてくれた。この戦争が終わり、全ての人が望む平和が訪れることを願っている。幸せをかみしめながら、どれぐらいの子どもが生まれたかを数える日が来ることを望んでいる」 「戦争を24時間以内に終わらせる」と豪語したトランプ氏は具体策を明らかにしていない。ゼレンスキー氏は「提案を聞きたい」と切実な胸の内を明かした。政権移行チーム内では、現在の前線を固定化して北大西洋条約機構(NATO)加盟を棚上げする案が浮上する。ゼレンスキー氏は「殺人者と犠牲者の間で妥協点を探るようなことは、しないでほしい」と語気を強め、トランプ氏をけん制した。
× × × 後編では、国際社会の最大の関心事である戦争の行く末について、ゼレンスキー氏の考えに迫る。(「ゼレンスキー氏が語った戦争の終わり方、そして日本への感謝」に続く)