ゼレンスキー氏、日本メディアに語り尽くした1時間 千日超えたウクライナ侵攻、その行方は(前編)
クルスク州の作戦は(国境を接する)わが国のスムイ州に対するものだ。まずわれわれを押し返し、スムイ州の領土に侵入しようとしている。北朝鮮兵を含む全体が、この計画に沿って動いている。プーチンにとってクルスク方面が非常に重要で、彼がこの地域の司令官に直接指示を出し、「特別軍事作戦」と称するこの戦争の命運がクルスクの成功に懸かっていると述べているとの情報がある。彼らにとって北朝鮮がこの地域を強化することは非常に重要だ」 「現在、戦争は科学技術に関するものになっている。北朝鮮は科学技術の知識を自国に持ち帰るだろう。そして、あなた方の地域における彼らの攻撃的な政策は、過去だけでなく現代の知識や技術にも基づくようになる。ロシアはウクライナの近代的な技術を目にすると、すぐにそれを学びウクライナと同じことをする。北朝鮮も、その全てを持ち帰るはずだ」 ▽北朝鮮派兵、日本へのインパクト ―北朝鮮がウクライナの戦場で経験を積み、現代の戦争のノウハウを獲得することは東アジアの安全保障にどのような影響を与えるのか。ゼレンスキー氏は大きな脅威になると警告した。
「問題は、日本がこれらの技術を持っているかどうかではなく、北朝鮮が全てを持つことだ。これは危険なことだ。ミサイル、電子戦システム、一人称視点(FPV)型ドローン、長距離ドローン、偵察ドローン、遠隔地雷敷設のほか、サイバー攻撃もある。全て現代の戦争に関する知識を北朝鮮が持ち帰ろうとしている。それをどう使うつもりなのか、私は情報を持ち合わせていない。 注視すべきことは、これらの知識を実際に使用するかどうかということだ。それが何によって決まるのか。それは「自信」に懸かっている。ロシアがこの戦争に勝利し、われわれを破滅させれば、こうした知識はイランや北朝鮮のような国々によっても使われるだろう。世界が団結しても一つの国を守れないなら、最終的にどの国も打ち破れるということを彼らが知るからだ」 現時点でロシアは北朝鮮兵を「慎重に扱っている」と述べたゼレンスキー氏。その狙いは、さらなる北朝鮮兵を派遣させるためだとの認識を示し、近いうちに最前線に送り込まれてロシア兵の弾よけとして使われると断言した。東アジアの安全保障環境にも悪影響を与えるとの考えを示し、戦火が世界各地に広がる恐れに言及した。