TOYOTAとHONDAが共同開発!?「ダカール2025」に水素で走るタフネスモビリティ「HySE-X2」を投入
世界一過酷な環境で試される次世代パワートレイン
カワサキ、ホンダ、スズキ、ヤマハの国産自動二輪車メーカーに加え、トヨタが特別会員として参画するのが、「技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE : Hydrogen Small mobility & Engine technology)」。2025年1月3日からサウジアラビアで開催される「ダカール2025」にむけて、次世代パワートレーン搭載車両「HySE-X2」で参加することを発表した。目的は「基盤技術構築の加速化とグローバルな仲間づくり」だ。 【写真はこちら】エンジンのさらなる限界領域にチャレンジすることで水素小型モビリティ・エンジン技術へ貢献(全3枚) ダカールラリーは1978年から毎年開催されている砂漠から泥濘地、山岳地帯などの路面を走破するラリーレイドの最高峰。2020年からは中東・サウジアラビアで開催されており、毎年多くの冒険者たちがこの世界一過酷なラリーに挑戦している。 そんなダカールラリーで新たに設立されたクラスが“Mission 1000”。同クラスは、水素エンジンや電動およびバイオフューエルとのハイブリッドなど、カーボンニュートラルに向けた次世代パワートレインの技術開発を自動車メーカーに促す、「Dakar Future Program」の一環として新たに導入されている。 HySEは、今年1月に水素小型モビリティにおける早期の課題抽出を目的として、今年から新設された“Mission 1000”カテゴリーに、研究活動で用いているモーターサイクル用水素燃料エンジンを搭載した「HySE-X1」で出場。初年度は最終日まで走り切り、クラス4位を獲得している。 その挑戦には全世界で注目され、世界一過酷なモータースポーツと言われるダカールラリーへの参加を通じ、HySEのプレゼンスや取り組みをアピールすることで、小型水素モビリティの実現に向けたグローバルで業界の垣根を超えた仲間づくりを図っていくという狙いもある。
2回目の「挑戦車」はエンジン及び車体がさらに進化
2回目となる今回の参加では、高回転域の出力特性向上や低中回転域での燃費改善、水素タンクの増設などの新たな技術課題に挑戦するためにHySE-X1からエンジンおよび車体をさらに進化させた「HySE-X2」を投入する。 なお、HySEは、11月18日から11月22日までベルギーのブリュッセルで開催される「EUROPEAN HYDROGEN WEEK」のHALL7・M20「Automobile Club de l'Ouest」ブースに「HySE-X2」(実車両)が展示される予定だ。 HySEダカール2025現地責任者の甲斐大智氏(スズキ株式会社)は、「2025年のダカールラリーにエンジンおよび車体をさらに進化させたHySE-X2で参加することとなりました。2024年の「HySE-X1」で抽出した課題の対策効果を確認すること、エンジンのさらなる限界領域にチャレンジすることで水素小型モビリティ・エンジン技術へ貢献します。活動の内容は、HySEのInstagramでも発信しますので、応援のほど、よろしくお願いいたします。」とコメントを発表している。 ■水素燃料エンジン車「HySE-X2」の概要 ・全長×全幅×全高:4,000mm×2,000mm×1,900mm ・車両重量:1,250kg ・エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク直列4気筒スーパーチャージドエンジン/DOHC 4バルブ ・総排気量:998cc ・水素タンク:70MPa×4本(前回は3本、今回は車体レイアウトを改良し4本に増設) ・水素搭載量:7.2kg ■技術研究組合 水素小型モビリティ・エンジン研究組合の概要 ・名称 技術研究組合 水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE : Hydrogen Small mobility & Engine technology) ・所在地 東京都中央区八重洲2丁目2番1号 八重洲セントラルタワー ・設立 2023年5月17日 ・組合員 正組合員 カワサキモータース、スズキ、本田技研工業、ヤマハ発動機 ・特別組合員 川崎重工、トヨタ自動車 ・一般組合員 川崎重工、デンソー 2024年11月1日現在 ・理事長 小松 賢二(ヤマハ発動機 執行役員)
Webモーターマガジン編集部