階段を上るときは〇〇するだけで疲れにくくなる【40代、50代・疲れ知らずの体をつくる生活術⑥】
“あの人はいつも元気そう、それに比べて私はどうしていつもこんなに疲れているの?” そう思ったことはないだろうか? 実は、疲れない人は日々の生活の中で、ちょっとしたことを習慣にしているとか。そんな疲れない生活習慣について、内科医で疲労に詳しい工藤孝文さんに伺った。 「これをしさえすれば疲れないといった魔法のような方法はありません。日々のちょっとしたことの積み重ねが、疲れない体をつくる秘訣です」(工藤先生) そんな、小さな生活習慣を5つにまとめた。
1 疲れない人は、立っていても座っていても姿勢がいい
「二足歩行の人間にとって、重力に対して最も楽なのは、横から見て背骨が緩やかにS字カーブを描き、耳、肩、股関節、膝、くるぶしが一直線になった姿勢です。これがよい姿勢といわれるものです。 人間の頭は体重の約10%もの重さがあり、成人女性では4~6㎏。この重さを首や肩、背中の筋肉が支えています。こうした重い頭を支える際も、よい姿勢をとっていると、湾曲した背骨がクッション役になって、その重さを効率よく吸収することができます。 ところが、首が前に傾いた悪い姿勢だと、首や肩にかかる負担は2倍以上になるといわれています。一見、楽そうに見える猫背の姿勢ほど、体への負担は増して、疲れやすくなるのです。 さらに、よい姿勢を維持するときに使われる、背中、お腹、お尻などにある抗重力筋が適度な刺激を受けると、脳内ホルモンのセロトニンが分泌されることがわかっています。セロトニンは別名『幸せホルモン』と呼ばれ、心のバランスを整える働きがあるので、ストレスを感じにくくなります。 座り姿勢では、椅子に深く座り背もたれに背中をつけて、両足の裏全体を床につけ、膝を90度以上に曲げ、肩の力を抜いた姿勢がベスト。 脚を組んだり、両膝をつけて足をハの字に広げた姿勢は、体や骨盤の歪みを引き起こし、膝やふくらはぎにも悪影響があり、痛みの原因になるので注意が必要です」 こうした正しい姿勢習慣を身につけるだけで、疲れ具合が変わってくるというので、ぜひとも実践を!