日本発の国際サイバーセキュリティカンファレンス「CODE BLUE 2024」今週開催
来場者には、配付資料がおしなべて電子化される潮流の現在、80 ページの紙のパンフレットが配布されるという。篠田氏によれば、合計 39 セッション(企業講演含む)に及ぶ各セッションを聞き逃して欲しくない配慮だという。
CODE BLUE の企業講演は「OpenTalks」と呼ばれるが、「スポンサー講演も面白い」のが CODE BLUE の特長のひとつ。リード獲得だけが目的のしょぼい講演が少なく、講演者自身もまるで年一のお祭のように楽しみながら、丁寧に準備してきたと感じられるものが多い。
たとえば国内のセキュリティ文脈での AI 研究の第一人者である高江洲氏が MBSD から出るのだが、同氏は下手をすると Palo や Okta クラスのユニコーン企業の日本法人が行うイベントに主役として呼ばれてもおかしくない格の研究者である。そもそも高江洲氏に限らず MBSD は、事業上のつながりでもない限り、チンケな企業イベントになどたとえ基調講演枠で呼ばれても鼻もひっかけない孤高の方針。こういう人が CODE BLUE OpenTalks にはゴロゴロいるから面白い。
年々数が増える応募論文を審査するレビューボードには、中島 明日香 氏や米内 貴志 氏など若い研究者の登用も積極的に行われている。サイバー犯罪担当の特別レビューボードには福森 大喜 氏の名前も見える。
そのサイバー犯罪に関する講演では、ルーカス・ステファンコ氏、ヤクブ・オスマニ氏による『NGate:NFCを中継してATMから不正引き出しを行う新型Androidマルウェア』、大規模なフィッシング攻撃に迫った、マンガタス・トンダン氏の『V フォー・ヴェンデッタ:フィッシング被害を受けた後のグローバル・フィッシング・プラットフォームの解剖』、ロエイ・シャーマン氏の『SnowflakeからSnowstormへ:侵害と検知の対処』の 3 講演が特にレビューボードの評価と期待が高かったという。