選挙戦略暴露のPR会社社長「note削除文言」一挙公開…鈴木エイト「『彼女はボランティア』主張が破綻」
SNS戦略の表は「折田氏とmerchu」、裏では「チームさいとう公式LINE」が暗躍
重要なのは折田氏が「note」に書いた締めくくりの記述である。この記述は修正されず、現在もそのまま残っている。 「特定の団体・個人やものを支援する意図もなく、株式会社merchuの社長として社会に貢献できるよう日々全力で走り続けたいと思っています」 特定の個人、つまり斎藤元彦氏を支援する意図はなかったと書いているのだ。彼女がボランティアであるとの斎藤氏側の主張は破綻している。 同じように折田氏の投稿において修正されていない箇所に不可解な部分がある。折田氏は4つのSNSのアカウント「X本人アカウント、X公式応援アカウント、Instagram本人アカウント、YouTube」について、「私のキャパシティとしても期間中全神経を研ぎ澄ましながら管理・監修できるアカウント数はこの4つが限界でした」と「note」に記している。LINEについては「管理・監修できるアカウント」として記述していない。 だが、斎藤陣営が最大限活用していたのが「チームさいとう公式LINE」だった。この公式LINEには斎藤氏の選挙運動を実際に行う人物の他、県外の人物が複数関わっていたという。LINE内にはオープンチャットが複数設置され、動画作成に熟練した上級者が初心者に動画作成を指導、作成された動画がTikTok、Instagram、YouTubeなどを通じて拡散された。斎藤氏の演説場所への動員のほか、百条委員会の奥谷委員長の自宅事務所前での立花氏による演説の情報も投稿されていた。 単に斎藤氏を応援しようという投稿の他、多くのデマ情報が「チームさいとう公式LINE」がハブとなりYouTubeやInstagram、X(旧Twitter)、TikTokなどへ拡散されていったという流れだ。 「チームさいとう公式LINE」を経由し、Xには一人で数万件のデマ情報を拡散するアカウントが存在していたが、投票日前日にアカウントごと消されている。このようなアカウントが複数あった。LINEのオープンチャットも投開票日前日の23時半以降、順次閉鎖されており、「チームさいとう公式LINE」から途中で「公式」の文言が外れ「チームさいとうLINE」に変化した。 なぜ今回の県知事選でこれほど大量のデマが飛び交い拡散されていったのか。選挙戦終盤に現地取材を行ったのだが、その時に抱いた違和感がようやく回収されつつある。