選挙戦略暴露のPR会社社長「note削除文言」一挙公開…鈴木エイト「『彼女はボランティア』主張が破綻」
早期の火消しに走る斎藤氏陣営
斎藤氏とmerchuの間に「業務の依頼とサービスの提供」という継続的なやり取りがあったことが伺える箇所が軒並み削除されている。merchuの折田氏が兵庫県知事選におけるSNS戦略を斎藤氏に提案し、斎藤氏がその提案を受けいれて業務としての活動を行ったと読み取れる記述がなくなっているのだ。そのほか、折田氏が兵庫県と取引のある業者であったことを示す記述も削除された。元の投稿内容からは両者の実際の関係性が推し量られる。 公選法では買収及び利害誘導罪として当選目的で選挙運動者に対して金銭等の供与をすることや、供与の約束をすることを禁じており、運動員が交付つまり報酬を受け取ることも禁じている。総務省が出している見解でも、インターネットにおける選挙運動で業者が主体的に企画立案を行う場合の報酬支払いは公選法違反(買収)に該当するおそれがあるとしている。 11月22日にmerchu社へ電話を掛けて取材を申し込んだが、問い合わせが殺到していてすべて断っているという返答だった。以降、原稿執筆時点で折田氏側から会見を開くなどの動きはない。 一方の斎藤氏側は早期の火消しに走る。一連の疑惑に対し11月27日、神戸市内において斎藤氏本人と代理人弁護士がそれぞれ時間差で会見を開いたのだ。斎藤氏と代理人はSNSを利用した広報戦略としてのmerchuへの報酬支払いを否定、ポスター制作費などで約70万円を支払っただけであり公選法への抵触はなかったと説明。
「折田氏はボランティアである」merchuとの説明に食い違い
その上で告示後の折田氏の選挙運動へのかかわりを「個人的なボランティアだと認識している」としたことを明かし、SNSの運用についても「基本的に斎藤と陣営で主体的にやってきた」と説明した。だが、折田氏が選挙カーの上から生配信していた携帯端末がmerchuのものであることや、斎藤氏本人のSNSアカウントを折田氏が管理していたのではないかど様々な指摘がなされている。 merchuによるメインの業務はSNS戦略であり、その他のスライド作成などは副次的なサービスだったと見るのが自然だ。SNSをつかった広報戦略を主な業務とするmerchuがポスター製作などだけを有償で請け負い、SNSを使った選挙戦略のみ無償のボランティアで行ったということの方が不自然である。