『室井慎次』想像以上の新キャラ誕生 脚本・君塚良一が絶賛する“本広演出”の妙
君塚にとって「踊る」とは何なのだろうか。「僕の記憶では、ただひたすらに書いていたというだけです。あまり迷わず、立ち止まらず、『次は映画』『次は舞台』と言われるままに書きました。途中でグズグズ言わずに続けてこられたのは、きっとフィットしていたんですよね。僕のモノを書くときの感じとタッチと技術と好き嫌い、趣味嗜好がぴったり合った作品なんだと思います」と思い返した。「もちろん、その時々のテーマはありました。今回はこうしよう、今回はこのルールを破って新しいことをやろう、ということは毎回考えていましたが、とにかくひたすら書いていました」 ここまで続く大ヒット作になった理由を、君塚はどのように考えているのだろうか。「とにかく、視聴者と観客のことを忘れなかった。観てくれる人をね。それが支持していただけた理由だと思います。その人たちを裏切らない、その人たちをガッカリさせない、その人たちを喜ばせる。それがなかったらインディーズ的な映画ですよね。こっちは完全な娯楽映画ですから。だから、ただ書いていただけじゃなくて、『観客のことを忘れずにひたすら書いていた』というのが正しい記憶です」(取材・文:早川あゆみ)
『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』は全国公開中