アダストリアが「ブレイモア」を支援 “東大卒”イメージの脱却に挑む25歳の野心
WWD:プロジェクトに参加するインフルエンサーの選定基準は?
村岡代表:志の高さを重視した。松井君は、一般的なインフルエンサーとは一線を画す存在だ。自身のブランド「ブレイモア」に対する思いや、彼のクリエイションにひもづく知識の多彩さが魅力的。将来のビジョンも明確であり、それをサポートしたいと感じた。松井君はインスタグラムで約8万のフォロワーを抱えている。これまでいろいろなインフルエンサーと話してきたが、彼ほどの上昇志向を持つ若手は珍しい。素直に「めっちゃ面白い子だ!」と心引かれた。
WWD:松井デザイナーの将来のビジョンとは?
松井デザイナー: パリコレに参加したい。三宅一生デザイナーや山本耀司デザイナーは、30代半ばでパリに進出した。今、自分は25歳なので、10年後までに挑戦したいと思っている。
WWD:アダストリアの支援を受けることで、ブランド運営は何が変わるか。
松井デザイナー:アダストリアの生産背景を使用できるため、効率化が図れる。価格帯を前シーズンの6~7割である8000~2万7000円に下げており、「ブレイモア」の洋服をこれまでより多くのお客さまに届けることができるはずだ。商品ラインアップも広がり、合皮素材を使ったアイテムやアクセサリーも開発可能になる。
また、コンセプトメーキングやデザインにさらに注力できるようになった。これまでは企画や生産、販売などにも携わっていたため、業務で手いっぱいになることが多かった。今後は自分の哲学を洋服に込めるための時間を増やせる。
村岡代表:基本的に、松井君は「ブレイモア」のディレクションをこれまで通り担う。商品企画のアイデアや、SNSプロモーションの進め方について意見してもらう予定だ。アダストリアが蓄積してきた経験やノウハウを使って、松井君のクリエイションイメージを具現化し、新たなトレンドを創出していきたい。
「リードプロジェクト」で初披露となる2024年春夏コレクションでは、セットアップやショートパンツ、Tシャツ、バッグなど全14型をそろえた。6月12日にアダストリアのECサイト「ドットエスティ(.ST)」で発売する。