アダストリアが「ブレイモア」を支援 “東大卒”イメージの脱却に挑む25歳の野心
WWD:「ブレイモア」を立ち上げたのはいつ?
松井デザイナー:文化服装学院2年生の頃だ。当時、洋服作りのスキルだけでなく、ビジネス面の経験値を高める必要性を感じていた。知人のつてによって奇跡的に繊維商社の社長とつながり、スポンサーになってもらうことができたため、ブランドを立ち上げた。2シーズンにわたって支援を受けながら、企画から生産、販売まで関わった経験が下積みになったと思う。
WWD:ブランドの特徴は?
松井デザイナー:“右脳で引かれ左脳で納得のいくワードローブ”がコンセプト。直感的な判断をする右脳に訴えるような、圧倒的な見栄えを作りたいという思いを込めた。また、左脳は論理的思考を司る部位なので、自分が文化服装学院で学んだ服飾のテクニックを、着心地の良さなどに落とし込みたい。
特徴は、ルーズシルエット。ゆったり着られるけど、あくまでも体のシルエットに沿うような仕様にこだわっている。ほかにもステッチのコバを細かくしたり、ファスナーを見せないようにしたりして、ミニマルな見た目になるように工夫している。
インフルエンサーの夢を実現
「リードプロジェクト」とは
WWDJAPAN:「リードプロジェクト」の目的は?
村岡秀紀「リードプロジェクト」代表(以下、村岡代表): 「リードプロジェクト」はインフルエンサーの夢や志の具現化を図るプロジェクトだ。現代ではSNSの発展により、誰もが影響力を持てるようになった。コロナ禍でD2Cビジネスが勢いづく中、アパレル企業の多くは、インフルエンサーブランドが市場のシェアを奪う脅威と見なす傾向にあった。しかしわれわれは「手を取り合った方が新たなビジネスチャンスが生まれるのでは」と考え、魅力的なインフルエンサーを探し出し、彼らの夢を支援するプロジェクトを始めることにした。社員3人で構成するスモールチャレンジだ。
インフルエンサー個人とコラボする試みは、それほど珍しくない。ただ、「リードプロジェクト」がほかと異なるのは、参加するクリエイターがすでにブランドを持っているということ。あくまでも彼らがやりたいことを、アダストリアがバックアップする。