ケネディ氏の米厚生長官起用に警戒広がる、ワクチンメーカー株下落
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領がロバート・ケネディ・ジュニア氏の厚生長官起用を発表したことに対し、公衆衛生当局者の間で懸念が広がっている。ケネディ氏はワクチンに対して長年にわたって懐疑的な立場を取ってきた。14日の米株式市場では、ワクチンメーカーの株価が軒並み下落した。
新型コロナウイルスのワクチンを製造するモデルナは5.6%安で通常取引を終え、時間外でさらに1.4%下げた。ファイザーの通常取引終値は2.6%安。ビオンテックとノババックスが共に7%安だった。
ケネディ氏は長年、予防接種に関して有効性の欠如や自閉症との関連を挙げて批判しているが、同氏の主張は繰り返し否定されている。先週には、米国民からワクチンを取り上げるつもりはないと発言。一方、「大きな欠陥がある」とワクチン接種の安全性を巡る科学を非難した上で、「科学的な研究を確実にし、人々が情報を基に選択をできるようにする」と述べた。
トランプ氏は自身のソーシャルメディアに投稿した声明で今回の人選を発表。ケネディ氏が米国の規制当局および公衆衛生機関を「ゴールド・スタンダードな科学研究の伝統と透明性の導き手に戻すだろう」とコメントした。
公衆衛生当局はここ数日間に、ワクチン接種の取り組みを縮小することのリスクについて警鐘を鳴らしており、今回のケネディ氏に関する次期政権の人事については、警戒感を持って受け止めている。
原題:Vaccine Maker Stocks Fall After Trump Taps RFK Jr. to Head HHS(抜粋)
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Gerry Smith