古代エジプトの遺物からピカソの陶磁器まで、骨董×アートフェアで売られたもの
フランスを代表するアートと骨董品のフェアの1つ、FAB Paris(FABパリ)は2024年、3回目となる開催を迎えた。6大陸の約1000の出品者が参加。3000年余りの間に制作されたアンティークから美術品、家具、ジュエリー、写本、彫刻などが出品された。 2022年2月にパリのショッピングモール、カルーセル・デュ・ルーブルで初回を開催したFABパリは、アンティーク・フェアの「La Biennale des Antiquaires(ラ・ビエンナーレ・デ・アンティケワール)」とアート・フェアの「Fine Arts Paris(ファイン・アーツ・パリ)」を1つのイベントにまとめることで、それぞれによるシナジー効果を得ることを狙ったもの。今回は初めて、修復工事が終了したグラン・パレをメイン会場とした。 出品された品のなかには、芥川(間所) 紗織や横井照子といった戦後日本の女性芸術家たち、そして日本で特に人気が高いフランスの前衛芸術家の一人、マリー・ローランサンの作品も含まれた。 今回のフェアはそれらの作品を通じて19世紀のジャポニスムにさかのぼる日本とフランスの芸術的「恋愛関係」を改めて紹介するとともに、それがフランスの芸術家たち、メアリー・スティーブンソン・カサットやマネ、トゥールーズ=ロートレックなどに及ぼした影響の大きさを示すものとなった。以下、今回のFABパリで特に注目された展示品を紹介する。 ■芥川紗織と横井照子 東京のギャラリー「カナタという灯台」は、これまでほとんど注目されてこなかった日本の女性画家、抽象画で知られる芥川沙織と横井照子の作品を出品。そのほか、ガラス彫刻を手がける現代アーティスト、生田丹代子の作品を披露した。 ■マリー・ローランサン 1969年、当時の日本ではあまり知られていなかった西洋絵画を紹介する画廊としてオープンし、現在もパリと東京に拠点を持つギャルリーためながは、日本国内で個人美術館が開設されていた(現在は閉館)ローランサンの作品を出品した。 ■ヴィラ・エフルッシ・ド・ロスチャイルド 歴史的価値のある「Goût Rothschild(ロスチャイルド様式)」の伝説的なコレクションの中から、ベアトリス・エフルッシ・ド・ロスチャイルド(1864-1934)がフレンチリヴィエラに建てた邸宅に集めた美術品や家具など50点が初公開された。また、この特別展の空間デザインは、著名インテリアデザイナーのジャック・ガルシアが担当した。