インドPE市場、ブラックストーンやKKRが積極投資-20年前と一変
また、複数のファンドが当局に対し、投資に参加する外国人の身元を開示する要件を緩和するよう要請。これがインドへの資本流入を妨げているとの主張だ。
PEマネジャーは、企業の合併・買収(M&A)や破綻に関するインドの法律が、より確立された市場と同じになることを望んでいる。
ブラックストーンのジョナサン・グレイ最高執行責任者(COO)によると、米国では数カ月で完了する案件でも、インドでは数年かかることがある。不動産投資信託(REIT)には厳しい税金が課され、銀行や保険会社はREIT投資を禁じられ、他の投資家は少なくとも3年間は持ち分を保持しなければならないという規制があるという。
グレイ氏はムンバイで今年4月に開催されたイベントで、REITは「まるで別の動物のように規制されている」と記者団に語った。
業界関係者によれば、インドへの関心の高まりが招いたインド株急伸により、企業にとってIPOがより魅力的な選択肢となり、PE会社はより多くの資金を提供せざる得なくなっている。
米アドベント・インターナショナルは2022年にスナックメーカーのDFMフーズとの取引を成立させるため、提示額をほぼ倍にしなければならなかった。
別のスナックメーカー、ハルディラムは、複数のPE会社との交渉が不調に終わり、IPOを探っている。アドベントのインド担当チーフ、シュウェタ・ジャラン氏は「インドに対する人々の関心が高まっており、それがバリュエーションの上昇につながることは明らかだ」と述べる。
インドがアジア最大のPE市場としてすぐに中国を追い抜くと予想するファンドマネジャーはほぼいない。だが、アジア太平洋地域の案件におけるインドのシェアは、5年前の15%から2023年には20%に上昇したとベインは説明。
そして、国内消費が伸びる可能性と、IT(情報技術)や製薬、サービスといったインドの強みを組み合わせれば、さらなる成長が期待できる。