足がムズムズして寝れない…実は「うつ病」のサイン、3人に1人が抑うつ状態に 滋賀医科大
研究グループが発表した内容への受け止めは?
編集部: 滋賀医科大学の研究グループが発表した内容についての受け止めを教えてください。 田頭先生: むずむず脚症候群は、パーキンソン病の合併症としてもよく知られているほか、保険診療で認められている治療薬にパーキンソン病の薬(非麦角系ドパミン作動薬など)が使われることもあります。そして、パーキンソン病もドパミン神経系の異常が認められる病気です。よって著者らのドパミン神経系の異常に注目する視点は妥当だと受け止めています。 その一方、パーキンソン病の合併症として、うつ病があることも知られています。また、むずむず脚症候群もうつ病もパーキンソン病の運動症状(震え、身体のぎこちなさ、歩行障害など)が出現するずっと前から認められる傾向が示されています。もしかすると、むずむず脚症候群とうつ病が合併していた症例は、パーキンソン病の前段階の状態にあるのかもしれません。今後、時間経過とともにドパミン神経系の異常が悪化することで、パーキンソン病へと進展する可能性もあるため、これらの病気の関連性についても注目する必要があると思います。
編集部まとめ
滋賀医科大学の研究グループは、「むずむず脚症候群患者の約30%が、うつ病または抑うつ状態を合併していることが分かった」と発表しました。研究グループは「むずむず脚症候群患者が抑うつ状態を合併するプロセスや、適切な治療法の検討が必要」と述べており、今後の研究にも期待が集まりそうです。
監修医師
田頭 秀悟 先生(たがしゅうオンラインクリニック) 鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。