AED「いち早く届ける」アプリ 救急隊より先に到着したら…「自分がやるしかない、使おう」
「自分の町を守るチームに入った」気持ち
北島さんは社内で推進担当だったこともあり、アプリの設定を現在地にかかわらず「全部の通知が来る」設定にしていたそう。 「体感としては週に1回ぐらい通知が鳴っていたので、誰かが倒れてAEDが必要かもしれないケースがこんなに多いんだ、と驚きましたね」 一方で、人口43.5万人(2024年8月1日現在)の柏市では、AED GOの登録者は2300人と伸び悩んでいます。 通知に市民が応じて救急車より早く到着し、実際にAEDのパッドを貼ったケースはまだ北島さんの例しかありません。 北島さんは「通知を切っていたとか、スマホを見ていなかったとか、認知度にもまだまだ課題があると思います」と話します。 「でも、AED GOのデメリットって特にないと思いますし、障壁はあるかもしれませんが、全国に広がってほしいと思います。自分のように、何も考えずに助けに走っていける人が、何人かにひとりはいると思うんです」 導入が柏市と限定されていたこともあって、アプリをダウンロードしたときに「自分の町を守るチームに入ったような気持ちがした」という北島さん。 誰かが救われる可能性が1%でも上がるかもしれない――。そんな取り組みがAED GOだと感じているそうです。 「AED GOの取り組みに関わってから、街中でAEDが目につくようになりました。出先でも『ここに置いてあるんだ』と自然と目に入るようになったことが、一番変わったことかもしれません」