真のラグジュアリーを体現する建築家・早草睦惠さんが感動したホテルは、サミット会場にも選ばれたあの名所!
「自然とつながる建築」を目指しているという建築家の早草睦惠さん。そのどれもがスケールの大小にかかわらず、品よく、真のラグジュアリーを体現しているといっても過言ではありません。常に誠実に建築や住み手と向き合っている早草さんに、これまでで最も感銘を受けた宿や憧れのホテルをお聞きしました。 【写真で見る】建築家・早草睦惠さんを感動させたホテル、憧れの宿
1.早草さんがこれまでで、最も感動した宿「志摩観光ホテル ザ クラシック」(三重)
伊勢志摩を代表するホテルとして長い間多くのファンを魅了してきた「志摩観光ホテル」。2016年にはサミットの会場にも選ばれ、各国の首脳が訪れました。なかでも「ザ クラシック」は、村野藤吾の設計で内装は改修されているものの、当時の佇まいを残したクラシカルな雰囲気が特徴です。
「広大な庭園と客室、ラウンジからの英虞(あご)湾の眺めは、何度訪れても感動的で、また行きたくなります。ホテルのホスピタリテ ィも素晴らしく、時を重ねてきた古きよき趣を随所に感じます。壁に掛けられている素敵なアートが実は藤田嗣治の作品 だったり...。そんな決して華美ではなく、さりげない感じが好きですね。私は宿泊するところは 、食事が“非日常的 に”おいしいことが絶対条件。感動的なおいしさは、空間の体験とあいまって、深く旅の記憶に残ります。ホテルのフレンチレストラン『ラ メール』はとても有名ですが、夕食はもとより朝食がとてもおいしい! 建物、ロケーション、ホスピタリティ、食事など総合的に素晴らしいところが、重ねて通う好きな理由です。そういう観点でいう と、今はなくなってしまいましたが『二期倶楽部(栃木)』も大好きな宿でした」
2.早草さんが海外で大感激したホテル「ル・サン・ジェームス・ブリアック 」(フランス)
建築家のジャン・ヌーベルの大ファンで、一時は彼の作品のある場所を、まるで聖地巡礼のように訪れていたという早草さん。このホテルもジャン・ヌーベルが設計した建物で、“わざわざ”訪れたのだそうです。 「ジャン・ヌーベルの設計のワイナリーに増設されたレストランとホテルです。立地、街からホテル、客室、ベッドまでのシークエンスが見事に計画されており、体験することで、そのすごさがわかります。ジャン・ヌーベルがなぜこの外壁の色にしたのか? それはこの周囲のロケーションに答えがあるんです! ホテルのサービスもフランクなホスピタリティが居心地がよくて。そして超絶おいしい食事は、ディナーはもちろんですが、特に朝食の卵料理が最高で、あの味は今でも忘れられません。訪れたのは30年近く前になりますが、すべての体験が素晴らしく、深く脳裏に刻まれています」 ル・サン・ジェームス・ブリアック/Le Saint-James Bouliac