【高校サッカー選手権】再生し、進化した北越。4連続得点で新潟西を下す
北越は今年の県総体でベスト8止まり。北信越プリンスリーグ1部は序盤戦から勝てない試合が続き、現在2試合を残してわずかに1勝。最下位に沈んでいる。対する新潟西も県総体ベスト8だが、その前に行われた春季地区大会で北越に2-0と勝利を収めていた。厳しい戦いが予想された北越だったが、4連続得点で新潟西を破った。 前半は3得点。まず13分、右サイドをえぐったMF11佐藤昇太(3年)の素早いクロスが相手DFのオウンゴールを誘い先制。31分の追加点はPAの外、左45度の角度からMF7鷲尾温斗(3年)が右足シュート。ボールはGKの手先を抜け弧を描いてサイドネットに収まった。38分、再び佐藤がクロスを上げ、FW9小林拓(3年)がヘディングで決めた。「(後半の)4点目もGKのキャッチミスを逃さずによく押し込んだ。集中していた」と荒瀬陽介監督。 一方で、その後の2失点には不満も口にした。「失点ゼロを伝えていた。差がついたことで気の緩みが出た。そこは課題です。まあ勝ったということで(試合の採点は)80点」 今年の北越はチーム結成時からなかなか調子が上がらず、様々なシステムを試行錯誤してきた。そしてようやく夏を過ぎてベースとして固まったのが、守備から試合を作っていく5-4-1の布陣。対する新潟西は3-5-2。守備に転じても4バックを敷いてショートカウンターを狙う。しかしこの日はディフェンスラインが押し込まれ5バックになる場面も度々。5枚のラインを高い位置に保つ北越の圧力が効いていた。「キャプテンとして辛いシーズンだったが、夏から、強度を強く保ち、守備を人任せにしないようにしてきた。夏休み明けから良い方向にチームが向かっている」と、FW10岩﨑大翔(3年)。試行錯誤してきたことで選手のポリバレント化も。選手層が厚くなった。2点目を決めた鷲尾は言う。「夏休みの前まで結果が出なくて苦しかった。県総体の準々決勝で負けて、そこからいろいろ見直して頑張ってきた。借りを返したい」。そのターニングポイントとなった相手が開志学園JSC。次戦、準々決勝で再び相見える。 (文・写真=いのうえ・しんじゅ)