グローバルの租税改革で企業の負担増 生成AI活用で法人税のインパクトを予測する取り組み
ESGと税の関係
近年その必要性に注目が大きく集まる、企業の環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組み。投資家やステークホルダーがより重視するようになってきているのはもちろんのこと、企業価値の向上もこのESG事業戦略にかかっていると言っても過言ではない。環境保護を達成することで受けられる税制の優遇や排出に応じてますます厳しくなることが予想される環境税など、複雑なESG要因が企業戦略と税務に密接にかかわってくることは明白だ。 KPMGは「税はESG(環境、社会、ガバナンス)のサステナビリティの促進力であり、重要な指針である」と述べ、税務部門は税務戦略や業務の調整が求められ、税へのサステナブルな取り組みと、グリーンタックス優遇税制へのコミットメントを求められるとしている。 ビジネスにおけるサステナビリティへの取り組みや企業の社会的責任の比重が高まる中で、税務部門が企業戦略とESG戦略を統合させる業務の負担増加は免れない。こうしたデータの収集・分析もKPMG Tax Transparency Services – Impact Analyzerがサポートできるというものだ。 OECDの税源浸食と利益移転(BEPS)第2の柱グローバルミニマム課税対策や国別の報告書、税のESG、その他の税の透明性や実効税率の世界基準に対応できるとしている。さらに、報告に必要な複数の企業資源計画(ERP)および非ERPからの構造化されているものとそうでない税務データと非税務データを識別。データを収集・抽出し、「ブラックボックス問題のない」自動化と変換を提供する。また、インテリジェント分析は、企業が高評価であるように肯定的に納税を解釈し、より説明的なナラティブが必要となりそうな潜在的要注意箇所を指摘するのに役立つ。 最終的な納税報告書は、用途に合わせて例えば規制当局向け、投資家向け、顧客向け、サプライヤー向けなどと複数の下書きを作成することができる。ここで言う税金とは大きく分けて、(1)通常政府機関が課税し学校や道路など公共サービスに使用される固定資産税、(2)企業が負担する従業員所得税や社会保険料といった対人税金、(3)製品やサービスに課せられる消費税や関税といった間接税、(4)事業で得た利益に課せられるキャピタルゲイン税、そして(5)大気汚染や廃棄物などといった環境を破壊することで課せられる環境関連税の5つがある。 KPMG Tax Transparency Services – Impact Analyzerは、KPMG Digital Gatewayを通じて、この膨大なデータをかき集めて分析、強力なインサイトの提供をし、ビジネスの課題解決をかなえるとしている。