「川崎にいましたからね」欧州1年目の“27歳日本人CB”に地元メディアもファンも喝采!それでも「プレーに納得してない時期があった」と本音を吐露【現地インタビュー】
「安全なパスばかり出していて、自分らしくなかった」
近年、欧州のクラブが複数人の日本人サッカー選手を抱えることは珍しくなくなった。 ベルギー1部リーグのルーベンも明本考浩、大南拓磨と2人の日本人選手がプレーしている。今年最後のゲームは12月27日、ホームのベールスホット戦。この試合、残念ながら明本は警告累積5枚による出場停止だったが、CBの大南がリーグ戦では6試合ぶりに先発出場し、チームの2-0勝利に貢献した。 【画像】9頭身の超絶ボディ! 韓国チア界が誇る“女神”アン・ジヒョンの魅惑ショットを一挙チェック! ルーベンの攻勢で進んだゲームだったが、前半25分からしばらくベールスホットがチャンスを作る時間帯があった。大南のビッグプレーが飛び出したのは31分のこと。ルーベンのCKが不発に終わると、ベールスホットは左サイドから一気呵成のカウンターを仕掛け、最後は右SBダグバが右45度の好位置でフリーになってラストパスを受けようとした。このとき長駆、自陣にスプリントで戻ってダグバの足下にタックルし、コーナーキックに逃げたのが大南だ。その直後、零度の寒空に轟いたのは、ゴール裏から湧き起こった「オー・ミナミ! オー・ミナミ!」のコールだった。試合後、そのシーンを背番号5はこう振り返った。 「あれは自分の特徴でもある、スプリントでプレスバックして球際で奪う――という良さが出たプレーだったと思います」 後半に入るとルーベンのワンサイドゲームになり、大南はベールスホットのカウンターに備えつつ、最後尾からゲームをコントロールすることにタスクの比重を増やしていく。そしてベールスホットのプレスを受けても、大南は余裕を漂わせながらそれを剥がし、少しドリブルでボールを運んでから味方につないだ。 「僕の課題はボール保持時のプレーだったんですが、川崎フロンターレという(日本屈指のポゼッション型)クラブにいましたからね。そこでだいぶ良くなりました。ベルギーの下位チーム(ベールスホットは最下位)はCBに対して1対1でプレッシングする傾向がありです。つまり“個と個の戦い”ですね。これを剥がすのも慣れました。上位チームになると組織的にプレスを掛けてくるので、また違った対応の仕方になります。クリーンシートという結果を残せて嬉しい。でも、相手FWに入れ替わられて、背後を許すシーンが今日もありました。ここが僕の課題です」 この試合で2得点を挙げたCFイクウエメシ、攻守にいぶし銀ぶりを発揮したMFフェルストラーテの「8」に次ぐ、採点「7」を全国紙『ヘット・ニーウスブラット』から受けた。そしてチームは11位に浮上し、降格プレーオフ圏(13位から16位)との差を勝点4に広げた。 大南のルーベン移籍が川崎の公式サイトで発表されたのは8月20日のこと。その3日後に行なわれた第5節、ウェステルロー戦(1-1)のベンチに入った大南はレギュラーCBのエワウト・プレティンクスが負傷退場したことにより、後半スタートからプレー。続く第6節のスタンダール戦ではスタメンに名を連ね、コーナーキックから移籍後初ゴールを記録して2-0の勝利に尽くした。12節のシャルルロワ戦(2-0)は10分だけの出場に留まった大南だったが、14節のデンダー戦(1-1)までレギュラーの座をしっかり掴んでいた。 その風向きが変わった、かのように思えたのはデンダー戦後、オスカル・ガルシア前監督が更迭されてから。第16節のアンデルレヒト戦(0-0)から育成部長のハンス・ソマースが暫定的に監督を務め、第19節のシャルルロワ戦からはクリス・コールマンが指揮を執るようになったルーベンで、大南が先発したのはベルギーカップ・ラウンド・オブ・16のズルテ・ワレヘム戦(12月4日/5-0)のみ。戦績だけを追っていると、“ルーベンの体制が変わってから大南はカップ戦要員になってしまったのでは!?”と想像せずにはいられなかった。 「いや、実はデンダー戦で足首を負傷しまして、次のユニオン戦はベンチに入らなかったんです。それからチームが負けなくなり、メンバーを変える必要もなくなりました。さらにカップ戦でもまた怪我をしまして。今日は出場停止の選手(CBリカ)がいたので出番がまた回ってきたのかもしれませんが、勝利に貢献できたと思います。 ただ、僕がスタメンから外れていた時期のことは、怪我のせいだけでもない。そう僕は思っているんです。実は僕自身、プレーに納得してない時期があったんです。安全なパスばかり出していて、自分らしくなかったというか...。来年はもっと力を付けて、チームメイトの怪我とか関係なく試合に出続けて貢献したい」
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