ヤバい「巫女養成スクール」生徒を酒席の“接待要員”としてタダで動員。セクハラ被害も
巫女について学びたい人たち
世間一般に「巫女に関する情報を学べる・体験できる」というサービスは多々ある。 でもそれらはざっと見るかぎり「仕事に有利」とまでは風呂敷を広げていないのが、大きな違いかもしれない。 奉職に至らずとも、文化や作法を学び体験するという講座は有名な神社でも行っているし、外国人観光客の多い東京・浅草あたりでは「日本文化体験」として、手軽に巫女体験できるサービスも存在する。
見せかけの神秘性
スクールの活動は海外メディアでも紹介されており、そうした発信も「信頼できる」「素敵な」スクールのイメージを後押ししているだろう。スクールが取り上げられた海外の番組を見ると、歴史がありそうな立派な神社で、巫女たちが奉仕する神秘的な光景が映し出されていた。 しかしその実態は、あくまでメディア用の撮影であり、実際に奉仕しているわけではない。 「番組で出てきた神社は、メディアの撮影に場所を提供していることで知られる神社です。試しに、“この海外番組で登場した巫女に会いたい”と訪れてみるといいですよ。”撮影に貸しただけで、その巫女たちとは一切関係ない”という回答がかえってくるはずですから」 海外メディアでもとり上げられた、立派なスクール。疑いの目を持って調べなければ、そうした印象を持つのは仕方がない。だが、フタを開けるとこの有り様。 「本職にするわけではないから、なんとなく巫女の雰囲気を楽しめればいい」という生徒もいるのかもしれないが、絹江さんの話のように肩を落とす生徒も少なくない。 「思ってたんと違う」――そんなスクールは、巷(ちまた)に数えきれないくらいあるだろう。しかし「伝統」「心の浄化」「精神の統一」という宣伝と、やっていることのギャップがすごすぎる話であった。
これも自己責任なのか?
また、このスクールにはさらなる驚きがあり、疑似科学商品の代理店やマルチ商法への勧誘も紛れこんでいるという。これについてはまた次の機会に説明しよう。 一見は格式高く伝統がありそうな「認定資格」も、疑ってかかる必要があるものだと、あらためて認識させられた話である。特に民間の資格の場合は。 <取材・文/山田ノジル> 【山田ノジル】 自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
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