関西電力、原発緊急時対策所を建設へ 複数事故の同時発生想定 2029年度にも運用開始
関西電力は11日、原子力事業本部(福井県美浜町)の隣接地に、美浜原発(同町)と高浜原発(同県高浜町)、大飯原発(同県おおい町)での事故対応時の支援を統括するため、新たに緊急時対策所を建設すると発表した。事業本部内に緊急時対策室があるが、複数の原発で事故が起きることも念頭に施設を拡充。2029年度ごろの運用開始を目指す。 緊急時対策所は、原子力事業本部の駐車場に建設予定。地上3階程度で収容人員は最大250人を想定する。 フロアには緊急時対策本部のほか、宿泊室、仮眠室、プレスルームなどを設置。放射線防護設備や非常用電源などの設備もあり、災害が長期化した場合でも職員が泊まり込みで対応できる環境を備える。 現在、原子力事業本部内に同様のフロアがあるものの、収容人数は130人程度で仮眠室などの規模も小さい。仮に美浜、高浜、大飯の3カ所の原発で事故が同時発生した場合でも必要な人員を収容できる施設を新たに建設することで、原子力災害対策のさらなる充実を図る。 また原子力災害に限らず、地震や大雨などの災害時に帰宅困難な地域の住民に一時避難所として開放することも検討するとしている。