魚ポチ、sakana bacca、フード人材バンク…株式会社フーディソンが取り組む“3つのサービス”を紹介
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。9月7日(土)の放送は、株式会社フーディソン 代表取締役CEOの山本徹(やまもと・とおる)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
山本さんは、北海道大学工学部卒業後、不動産会社の株式会社ゴールドクレストに入社。2003 年に株式会社エス・エム・エスの創業メンバーとして参画し、取締役就任、マザーズ上場を果たします。2013 年に株式会社フーディソンを創設、代表取締役CEOに就任。2022年12月に東証グロース市場に上場しました。
◆フーディソンがおこなう“3つのサービス”
株式会社フーディソンは“世界の食をもっと楽しく”をミッションのもとに創設。あらゆる食のなかで“魚”にスポットライトを当て“生鮮流通に新しい循環を”というビジョンを掲げて事業展開をおこなっており、「それを実現する場を“生鮮流通のプラットフォーム事業”と定義しています」と山本さん。 また、その事業は3つのサービスで構成されていると言い、1つ目に挙げたのが「魚ポチ」。これは、飲食店が魚をECで買えるシステムで「買い手と売り手をつなげていく役割を担っています」と言及。また、その対象は“中小の個店”で、大手飲食チェーンはターゲットにしていないそう。 というのも、大手飲食チェーンには専属のバイヤーがいて、大量購入をする代わりに価格交渉をする商法をとっているのに対し、中小の個店は、独自の仕入れをすることで他店との差別化を図っています。そのため、「魚ポチ」では多種多様な魚を調達できるようラインナップの拡充にこだわり、なんと約4,000種類もの商品を取り扱っています。 また、「魚ポチ」の存在は“人手不足軽減”の一助にもなっているそうで、「今は仕入れの手間をいかに解消するかというのも重要で、自分の目線に合った商品がオンラインで注文できるのであれば、それを使わない理由はないかと。人手不足の傾向はしばらく変わらないはずなので、飲食店がより便利に働けるよう支援していくことを目指していきたいです」と声を大にします。 2つ目が小売店の「sakana bacca」。こちらは“魚にちゃんと付加価値をつけて売る”ことを目的とした鮮魚店で、「昔、魚は良くも悪くもたくさん獲れて、それを消費するためにスーパーでは特売で大量に売られていたわけですが、今は最盛期の3分の1程度しか獲れていません。それなのに、特売で売っていたら商売が成り立たない。そこで、(魚に)しっかり価値をつけて売る役割を僕らが売り場を持って実行していこうと、そういう意味合いでおこなっているのが『sakana bacca』です」と語ります。 また「sakana bacca」は、東京駅や品川駅などの駅ナカにも出店していますが、そこでは生の魚を売るよりもお弁当を販売することがメイン。「お肉と比べると、魚はユーザーにとってあまりフレンドリーではなく、わかりやすさやおいしく食べられる確率、価格感も負けている部分があるなと思っていて。そのレベルを上げていきながら魚の新しい買い方を提案していくのが僕らの取り組みです」と力を込めます。 3つ目のサービスが、フード業界に特化した人材紹介サービス「フード人材バンク」です。「魚や肉を切る技術を持った職人さんの仕事探しを手伝うサービスで、例えば、スーパーマーケットや肉の専門店などにご紹介しています」と山本さん。 このサービスをおこなっている背景として、「いい魚を産地から東京に持ってくることは可能ですが、そこから最終消費者が(自分で魚をさばいて)お刺身を作り、テーブルに並べるのかといえば、それは現実的ではないと感じています。技術を持った人が、魚をより良い状態でさばいておいしい状態で食卓に届けるのが一番であると。そう考えたときに、技術を持った方が、自分の望む仕事につなげられるかどうかが重要で、既存のリクルートエージェントに登録しても、そういう仕事はそこまで多くはないんです。そこで我々が“つなげる役”を担い、技術者の方が希望する就職先につくことを支援しています」とコメント。 続けて、「事業としては魅力を感じにくいかもしれませんが、僕らは生鮮流通でやり続けると決めているので、そのなかで技術を持った方を雇用する店舗さんとつながれることは、単体のサービスとして評価しきれないものがあると思っています」と胸を張ります。