日銀・黒田総裁会見4月27日(全文2)企業の資金繰りはリーマン時より厳しい
時限措置でなく恒久措置なのか
毎日新聞:毎日新聞の大久保と申します。1点お願いします。国債買い入れ枠の無制限の買い入れのところなんですけれども、これが時限措置なのかどうかということです。社債の買い入れ枠の増加などは今年の9月末までというふうに、時限措置というふうにされてると思うんですけれども、国債の買い入れのほうはそういった記載が見当たりません。もし時限措置でなく恒久措置なのだとしたら、なぜそうする必要があるのかということも含めて教えてください。 黒田:これは、この公表文にもありますとおり、このパラグラフの2で、日本銀行はうんぬんっていって、マル1、マル2、マル3で、こうした情勢を踏まえっていうことは、コロナ感染症の拡大の影響によって厳しさを増してるとか、金融環境も、企業の資金繰りが悪化するなど企業金融面で緩和度合いが低下しているっていう、こういう状況を踏まえて金融市場の安定を維持する観点から、国債のさらなる積極的な買い入れによって金融緩和を一段と強化することが適当ということであります。そうした意味で、ご案内のとおり、ETFあるいはJ-REITの買い入れにつきましても、こういった状況を踏まえて、当面、従来の倍のペースで買い入れるということにしています。 従って、当然のことながらコロナウイルス感染症の拡大が収束して、経済も回復の軌道に乗っていくという状況の下でも、さらにどの程度の買い入れが必要かということは、そのときに判断すべきだと思いますが、イールドカーブ・コントロールって観点から言いますと、現在のような政策金利がマイナス0.1%、10年物国債金利が0%程度という状況は、コロナウイルス感染症が終息してすぐに、もうそれをやめるっていうことにはならないと思います。やはり当分、長期金利、10年物国債の金利の目標は0%程度っていうのから上昇させないと思いますので、その意味では、それを実現するために必要なだけの国債はいくらでも買い入れるということは変わらないと思います。 ただ、ずっと延々に続くという話ではなくて、そもそもイールドカーブ・コントロール自体が公表文の第5節にありますように、「2%の『物価安定の目標』の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、『長短金利操作付き量的・質的金融緩和』を継続する」と言っているわけであります。 【書き起こし】日銀・黒田総裁会見4月27日 全文3へ続く